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イチローズモルト×シルヴァー・オーク、日米合作のモルト・ウイスキー誕生

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 世界的な評価を受ける埼玉・秩父のイチローズモルトとナパのカベルネ・ソーヴィニヨンを代表するシルヴァー・オークがコラボレーションしたウイスキーが誕生した。イチローズ・モルトのバーボン樽で熟成した原酒を、シルヴァー・オークのワイン生産に使用された樽でフィニッシュした「イチローズ・モルト 秩父 シルヴァー・オーク カスクフィニッシュ 2022」だ。


 イチローズモルトは秩父蒸溜所を所有するヴェンチャー・ウイスキーで造られる。同社の肥土伊知郎(あくと・いちろう)社長の祖父は、東亜酒造の羽生蒸溜所(埼玉・羽生市)でウイスキーを仕込んでいたが、営業譲渡された。肥土社長は家業に戻って2004年にヴェンチャー・ウイスキーを設立し、廃棄寸前の400樽の原酒をもとにイチローズモルトの生産を始めた。


 この原酒をもとに熟成樽ごとに瓶詰めしたカードシリーズの54本セットは、2019年に香港で開かれたボナムズのオークションで1億円で落札された。ベンチャー・ウイスキーは、世界的な権威の品評会ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)で5年連続の最高賞に輝いた。


 一方、レイ・ダンカンとジャスティン・メイヤーが1972年に設立したシルヴァー・オーク・セラーズは今年50周年を迎えた。「ライフ・イズ・ア・カベルネ」を謳い文句に、ナパヴァレーとソノマのアレキサンダー・ヴァレーから、アメリカン・オーク樽熟成により、米国人のファンが多いカベルネを造っている。


 ソノマにピノ・ノワール、メルロー、ソーヴィニヨン・ブランを手掛けるトゥーミーも設立。こちらでは、44年間にわたってペトリュスを造ってきたジャン・クロード・ベルーエのコンサルティングを受けている。


 今回の「イチローズ・モルト秩父シルヴァー・オークカスクフィニッシュ2022」(Ichiro's Malt CHICHIBU Silver Oak Cask Finish 2022) はくらくらするような香り高さ。アプリコット、木の皮、強烈な集中力があり、スムーズで、フィニッシュが長い。アルコール度48%。


 ウイスキーの国内消費は縮小傾向だが、ジャパニーズ・モルトは世界的に高い人気を集めている。イチローズモルトはトップランナーの1つだ。


 肥土社長は「長い熟成の中で樽の影響を強く受けるウイスキー。今回熟成で使用したシルヴァー・オークの樽は、しっかりとした原酒自体の甘さや熟成感の中に、朝の針葉樹を思わせるような爽やかな印象を与えてくれています。原酒そのままの個性を楽しんでいただくためにノンチルフィルター、ナチュラルカラーでボトリングしました。時間と共に変化する複雑な味わいを、是非時間をかけてお楽しみください」とコメントした。


 イチローズモルトは「シルヴァー・オーク ナパ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン 2015」とセットで11万円で販売される。


 販売元はJALUX。
 

肥土伊知郎社長とブランドアンバサダー吉川由美さん、テイスターの大越基裕さん
蒸溜所でテイスティングする肥土伊知郎さん
ヴェンチャー・ウイスキーの秩父蒸溜所

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