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13%台のアルコール度、抑制されたクラシック・ヴィンテージ(ボルドー2021プリムール)

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 ボルドー2021プリムール商戦は7月に終わった。今年もまた現地には行けなかったが、メゾン・ジネステが日本で行った試飲会と現地からのレポートに基づいて、概況をレポートする。


 2018から2020まで続いた黄金のトリオに比べると、2021はずいぶんと趣が異なる。赤ワインのアルコール度は1%以上低くなり、左岸は13%前後。抑制されていて、ナパのような豊かさや凝縮感には欠ける一方で、栽培・醸造の進化によって正確さがある。2000年代以前を思い出させるクラシック(古典的な)ヴィンテージとなった。収量は低い。377万hlにとどまった。


2000年代以前を思い出させる
カギを握ったシャトーの総合力


 品質の一貫性に欠けるが、早くから楽しめ、トップシャトーの品質は高い。両岸ではいくつかの偉大なワインが生まれた。フレッシュでヘルシーな志向の強まる料理と合わせやすく、新世界ワインに慣れない日本の古くからのボルドー愛好家に歓迎されるだろう。


 カギを握ったのは、経験の蓄積と豊富な労働力を合わせたシャトーの総合力だ。右岸と左岸のどちらが優れているという質問はあまり意味がない。霜、大雨による病害、夏の日照不足に対応し、厳しい選果と正確な醸造が求められた。腐敗が進めば、週末でも晴れれば、雨のすきをぬってスプレーする判断力とチーム力のあるシャトーが成功した。

 
 芽吹きが早かったため、4月7、8日と5月上旬に霜害に見舞われた。6月は平年の2倍の多雨でべと病や腐敗が発生し、除葉などの対処が求められた。ボルドーで主流のサステイナブルはもちろん、オーガニックやビオディナミの生産者は生産量が減少した。


日照時間も栽培日数も低いレベル
カベルネ比率の高いメドック

 

 7月と8月は晴天だったが平均気温は低かった。ヴェレゾンの中間ステージ(Mi-veraison)は8月11日で、過去20年間で最も遅かった。日照時間は例年より10-15%少なく、栽培日数も2013年以降で最も少なかった。


 収獲は遅かった。メルロの収獲は9月末から始まり、カベルネ・ソーヴィニヨンの収獲は10月末に終わった。10月初旬の大雨の予報を信じて収獲を遅らせた生産者は、完熟したカベルネ・ソーヴィニヨンを手に入れた。メルロは腐敗や雨による肥大化に悩まされた。


 早熟なメルロは霜のダメージを受けやすいが、ポムロールのプラトー(台地)とサンテミリオンのトップシャトーは、過去の経験値が高く成功した。メドックのマルゴー、サンジュリアン、ポイヤックのトップワインはカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が極めて高い。アルコール度が低めで、バランスのとれたワインをものにした。


 未熟な果実を取り除く厳密な選果が求められた。近年のボルドーは発酵槽が小型化し、正確さは高まっている。低温で穏やかな抽出が重要だった。その一方で、濃縮度を高めるセニエとアルコール度を補う補糖が行われた。品質を高めるプレスワインが多めに添加された。


辛口と甘口の白は成功


 辛口の白は8月の冷涼な気候がフレッシュ感をもたらし、リンゴ酸が高く、2017に次ぐ優良な作柄。9月の最初の3週間に収獲された。ソーヴィニヨン・ブランが特に成功した。ソーテルヌとバルサックは春の霜で生産量が減ったが、9月中旬の後にボトリティスが発生し、高品質な甘口ワインを生んだ。

 

 フレッシュで早くから楽しめる新たな古典(ボルドー2021プリムール)こちら
 

 ワイン・アドヴォケイトのウィリアム・ケリーは、オーゾンヌに97-100点、オー・ブリオンとラフルールに96-98点、マルゴー、シュヴァル・ブラン、ラフィット・ロートシルト、ラトゥール、レオヴィル・ラス・カーズ、パルメに95-97点を与えた。


 ヴィノスのアントニオ・ガッローニはレ・カルム・オー・ブリオン、オー・ブリオン・ブラン、ヴュー・シャトー・セルタン、ドワジ・デーヌ・レクストラヴァガント、デュクリュ・ボーカイユ、スミス・オー・ラフィット・ブラン、ピション・コンテス、ラフォリー・ペイラゲイ、シュヴァル・ブランに96-98点を与えた。


 ニール・マーティンはラフルール、オー・ブリオン・ブラン、ドメーヌ・ド・シュヴァリエ・ブラン、シュヴァル・ブラン、ラ・ミッション・オー・ブリオン・ブラン、ラフォリー・ペイラゲイ、ド・ファルグ、ラフィット・ロートシルト、ペトリュス、カロン・セギュール、オー・ブリオン、ヴュー・シャトー・セルタン、ラ・コンセイヤント、フィジャックに95-97点を与えた。

 

 ワイン・インディペンデントのリサ・ペロティ・ブラウンMW(前ワイン・アドヴォケイト編集長)は、オーゾンヌ、シュヴァル・ブラン、オー・ブリオン・ブラン、ラフルール、マルゴーに95-97点を与えた。

 

 ジェーン・アンソンはオー・ブリオン・ブランに98点、ラ・ミッション・オー・ブリオン、フィジャック、ラフィット・ロートシルト、ラフルールに97点を与えた。

 

 

2022年4月25日にボルドーで開かれた試飲会 Twitter@PichonComtesse
シャトー・ピション・コンテスでは10月20日にプレスワインを取得 Twitter@PichonComtesse

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