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高値での転売や偽造ワインを防止するため、シャンパーニュのジャック・セロスが、ボトルの流通経路を追跡できるチップをラベルに組み込み始めた。
この技術はフランスのワイン業界のトレイサビリティを追求するテクロノジー企業WIDグループが開発した。ラベルにNFC(近距離無線通信)を使ったチップを組み込む。スマホのユーザーがアプリをダウンロードして、チップを読み込むと、ボトルの経路をたどれる。
France Bleuによると、アンセルムとギョームのセロス親子は6万本のラベルにこの追跡チップを貼り付ける予定で、4月から導入している。トレイサビリティを確保するには、中間の流通業者や小売業者もチップをスキャンする必要がある。チップを読み取るたびに、場所が記録される。
シャンパーニュの偽造は、スティルワインほど多くない。コルクやキャップシールの偽造や、本物の空き瓶に液体を詰めるのが難しいためだ。生産者が問題にしているのはむしろ、販売業者やレストランの横流しでグレー市場にシャンパーニュが流れ込んでいること。来歴がわからず、保管状態も不安が残る。
ギョームは取材に対して、「私たちの2008年のボトルは、300ユーロで販売されているが、あるオークションでは3500ユーロや4000ユーロを超す価格で取り引きされている」と語っている。
セロスのミレジメ、リューディ、ロゼなどは、法外な値段で取り引きされている。ワイン・サーチャーによると、セロスのミレジメは20万円台半ば、リューディも10万円前後で取り引きされている。
シャンパーニュは紫外線、高温、乾燥など、保管の環境から受ける影響がスティルワインと比べても、とりわけ大きい。グレー市場のボトルは、高値なだけでなく、品質劣化のリスクも大きい。
チップは1個あたり0.5ユーロ。France Bleuによると、セロスの年間予算は12万ユーロに相当するという。
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