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2021年の日本向けシャンパーニュ輸出量は、2020年を28.1%上回る1381万本だった。輸出額も3億5400万ユーロと、前年の2億7080万ユーロから増加した。
フランス国内と輸出を合わせた2021年の全世界向けシャンパーニュ出荷量は、2020年を31%上回る3億2200万本に達した。これは過去10年間で最高の記録。パンデミック前の2019年も8%上回った。
2021年の出荷額は前年比36%増の57億ユーロでこれも過去最高。過去最高だった2019年の50億5590万ユーロを14%上回った。
米国と英国向け輸出が市場をけん引
輸出を牽引した国は、輸出量1位の米国、2位の英国、7位のイタリア、9位のスペインなど。米国向けは前年比63.9%増の3412万本で過去最高。ブレグジットやパンデミックに揺れる英国向けも40.5%増の2987万本を記録した。
オントレードが全面回復しなかった2021年に、フランス国内も輸出市場もコロナ以前を大きく上回ったのは、電子商取引の進展、家庭で消費するライフスタイルの広がりなどが理由と見られる。
エペルネの本部から来日したアペラシオンの保護と促進担当のガエル・エゴロフ・ディレクターは「消費者が新型コロナウイルスで、友人や恋人と普通に会える幸せに目覚めた。祝祭だけでなく、日々の生活でいいことが起きた時にボトルを開けるスタイルが広がった」と語った。
日本はプレスティージュと甘口が人気
日本でも、ホテルやレストラン、イベントで酒類を提供できない期間が長かった。にもかかわらず、ネット通販などを通して、おうち飲みが広がり、消費が盛り返したと見られる。ただ、夜の市場で人気が強い高価なシャンパーニュが伸び悩んだせいか、輸出額はコロナ前の2019年と比べて横ばいだった。
日本に輸出されるキュヴェのカテゴリー別比率を米国・英国を含めた輸出の上位3市場で比較すると、プレスティージュキュヴェが31%と高く、米国の16%をはるかに上回っている。
ロゼは世界的なトレンドとして広がっており、米国が20%、英国が15%なのに対し、日本は9%にとどまった。
また、ドザージュがブリュットより多いエクストラ・セックやセックなど残糖の多いキュヴェも11%と多く、米英をはるかに上回る。一方で、ノンヴィンテージは46%と3か国の中で最も比率が低い。
業態別では、日本向けに出荷した605業者のうち、グローワー(RM)が385と半分以上を占め、メゾンに傾斜する米英より、多様性を求めていることがうかがえる。
シャンパーニュ委員会はサステイナブル農法を促進していて、HVE(環境価値重視)、VDC( Viticulture Durable en Champagne)、ユーロリーフなどの認証を得ている栽培面積が54%に達している。2030年までの100%達成を目標にしている。
委員会によると、過去15年間で、ボトル重量は20%軽くなり、1本あたりのカーボン・フットプリントは20%減少した。ボトル1本の平均の重さは835グラム。農薬は50%減少した。
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