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2021年世界のワイン生産量、ヨーロッパ異常気象で記録的な低水準に

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 2021年の世界のワイン生産量は、ヨーロッパの異常気象の影響で記録的な低水準に落ち込みそうだ。3年連続で生産量が平均を下回ることになる。


 4日、国際ブドウ・ワイン機構(OIV)のパウ・ロカ事務局長が記者会見して発表した。2021年の世界のワイン生産量は、前年比4%減の約2億5000万ヘクトリットル(250億リットル)となり、霜や雹、夏の熱波で大きく落ち込んだ2017年の歴史的な低水準に近づくと予測されている。


 OIVの推計によると、フランス、スペイン、イタリアといった欧州最大の生産国で、霜、雹、ベト病などの天候要因により、潜在的なワイン生産量のうち約2200万hlが失われた。3か国は世界のワイン生産量の45%、EUのワイン生産量の79%を占めている。


 フランスの2021年の収穫量は、2020年比で27%減の3420万hl、スペインは14%減の3500万hl、世界最大の生産国イタリアの2021年の収穫量は、9%減の4450万hlになると予想されている。フランスの収穫量は1977年に近く、この半世紀で最小となる予想で、世界3位の生産国に転落する見通し。


 一方、南米、南アフリカ、オーストラリアなど南半球の多くの国では、ニュージーランドを除いて、2021年の収穫量が増加したが、ヨーロッパのワイン生産国の生産量の減少がこれを上回っている。

 
 オーストラリアとチリのワイン生産量は、前年比で約30%増加し、それぞれ1420万hl、1340万hlとなった。米国のワイン生産量は6%増の2410万hlとなる見込み。


 会見は英国グラスゴーで国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が開催中の4日に、パリで行われた。気候変動について多くの時間がさかれた。ロカ事務局長は生産者の対応を支援するOIVやそのほかの活動の重要性に言及した。

 

4月に霜対策が行われたブルゴーニュの畑 Facebook@Vins de Bourgogne
歴史的な低水準が予想される世界のワイン生産量 (C)OIV
イタリア、スペイン、フランスの過去5年間の生産量 (C)OIV
会見するOIVのパウ・ロカ事務局長 (C)OIV

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