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1日に公開された映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』には、おなじみのボランジェ、ハイネケンと並んで、シャトー・アンジェリュスが3度めの登場をした。
25作目となるボンド映画では、序盤にボンドが研究開発部門の責任者Qの夕食に現れた際に、シャトー・アンジェリュスが登場する。ダニエル・クレイグがテーブルのボトルから大きなグラスに注ぐ。3つのアルコール・ブランドの中では最も長く時間がさかれ、名脇役の役割を果たした。
アンジェリュスが007映画に初めて登場したのは、2006年の『カジノ・ロワイヤル』。列車の中で82年ヴィンテージを飲む場面があった。2015年の『スペクター』にも登場。2019年には007の限定ボトルを発売した。
2012年にサンテミリオンの格付けでプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAに昇格したアンジェリュスは品質の向上と巧みなマーケティングで破竹の勢い。実はモダン・ボルドーの幕を開けた1982ヴィンテージのパーカーポイントは77点と厳しい評価だったのだが……。
アンジェリュスに比べると、ビールとシャンパーニュのブランドは目立たなかった。ハイネケンは、ボンドがナイトクラブでCIAのエージェントと会った際に、少し飲むだけ。ボランジェはバーに置かれていた。
007映画は、作品中にブランド品や飲料など高額な商品を盛り込むプロダクト・プレイスメントの手法で、ハリウッドに先駆けて成功した。ボランジェは「007のシャンパーニュ」として、イメージが浸透している。
ハイネケンは2012年の『スカイフォール』で、ウォッカ・マティーニに代わって登場し、古くからのジェームス・ボンド・ファンの失望を買った。巨額のスポンサー料を払ったと言われている。
アンジェリュスを所有するユベール・ド・ブアールが、007映画を製作するブロッコリー家と親交があるのは知られている。その背後で資金が動いたかどうかは明らかになっていない。
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