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単一畑のスパークリングが着実に進化、ベッドロックのアンダー・ザ・ワイヤー

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 スパークリングワイン造りは一定の規模を必要とする。醸造施設と工程がスティルワインより複雑で、時間がかかる。キャッシュフローをよくするため、ある程度は量産しないと引き合わない。それゆえ、カリフォルニアで成功しているのは、ロデレール・エステート、ドメーヌ・シャンドン、マム・ナパ、ドメーヌ・カーネロスなど、シャンパーニュの大手資本の生産者だ。
 しかし、シャンパーニュでグローワーズ(レコルタン・マニピュラン)が台頭しているように、カリフォルニアにも畑の個性を表現するスパークリングワインが出てきた。ベッドロックの「アンダー・ザ・ワイヤー」もその一つだ。モントレー郡シャローンAVAのブルソー・ヴィンヤードのシャルドネで仕込む。2012年産ブドウで造り、2015年5月にデゴルジュしたボトルを飲んだ。

 ニュートラルオークで発酵しやや酸化的なスタイル。シャルドネより、ピノ・ブランに近い硬質な味わいで、青リンゴ、グレープフルーツ、プラムの香り。岩を砕いたミネラル感、洗練されたクリーミィさより、自然派ワインによくあるほろ苦さを伴う野性的な質感がビビッドに感じられる。余韻にオリのニュアンスが残る。
 シャローンAVAは石灰岩と水晶を含む珍しい土壌で知られる。スーツケースクローンのピノ・ノワールで有名だが、このシャルドネの畑は石灰岩と砕けた花崗岩が含まれるという。1980年代に植えたウェンテ・クローン。収穫時の潜在アルコール度は11.5度。ドザージュはリットル当たり1グラム。ほぼノンドゼに近い。硬派で挑戦的な造りだ。「シャンパーニュが好きで、自分たちで飲みたいから造った。大手ワイナリーとは異なる、単一畑を表現するスパークリングを造りたい」と、ベッドロックのクリス・コットレルは語った。
 好きな生産者は、ジャック・セロス、シャルトーニュ・タイエ、ユリス・コラン、ジェローム・プレヴォー、セドリック・ブシャール、ヴィルマールといったところ。単一の品種、畑、収穫年で造る哲学を受け継いだが、スタイルはシャルトーニュ・タイエと最も近い。
 2014年9月に飲んだデビュー・ヴィンテージの2011より、焦点が絞れている。スパークリングは技術的なワインなので、経験を積むほどに進化が期待できる。アンダーソン・ヴァレーやソノマ・コーストのハーシュ・ヴィンヤードも加えて、2015年は7つのキュヴェを仕込んでいるそうだ。

2016年2月1日 東京・六本木のグランドハイアット東京で
アンダー・ザ・ワイヤー スパークリングワイン シャルドネ ブロソー・ヴィンヤード シャローン 2012
90点
価格未定
輸入元:中川ワイン

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