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シャンパーニュのクリュッグがアンボネイ村のクロ・ダンボネイ内に建造する醸造施設の内容を発表した。環境に配慮したモダンな施設が、シャンパーニュを代表する老舗メゾンの生産拠点となる。
クロ・ダンボネイ(Clos d'Ambonnay)はアンボネイ村の中心に位置する0.68haの塀で囲まれた区画。この小さな畑から、3000ユーロの最も高価なブラン・ド・ノワールが生まれる。1995ヴィンテージに初めて生産された。
今回、ヴェールを脱いだ施設は27.5haのクロ・ダンボネイの敷地を活用して建造される。床面積9400平方メートルの3階建ての建物が2棟建てられる。独立した8つのセラーと330の樽を収容できる5つの地下醸造設備を備える。
10人のスタッフが収穫時の果汁を受け入れて、瓶詰めまでの作業を行う。その後、ボトルはランスに移されて熟成される。将来は、クロ・デュ・メニルを除くメゾンのすべてのシャンパーニュを生産する拠点となる。
クリュッグのフラッグシップであるグランド・キュヴェは、20年以上前までさかのぼる百数十種ものリザーヴワインをブレンドして造られる。ここでは、毎年の収穫から仕込むワインとリザーヴワインも長期熟成される。最高醸造責任者ジュリー・カヴィルとテイスティング・コミティーによるアッサンブラージュも行われる。
ランスにあるメゾンを3年前に刷新した設計チームが、4年がかりで今回のプロジェクトを進めてきた。視覚とクロのテロワールを尊重し、雨水の回収や低炭素建築材の使用、敷地内の菜園作りなどサステイナビリティを配慮した開発となっている。
今年から工事にとりかかり、2023年に完成予定。
シャンパーニュのメゾンは大量のボトルやリザーヴワインを熟成させて、パッケージングから出荷までできる広いスペースが必要となる。ローマ時代のクレイエールを利用しているため、容易に拡張できない。そのため、近年は歴史を誇るメゾンでは、生産施設を本社と別の場所に新設したゴッセや、パッケージングと出荷の施設を拡充するポル・ロジェのような例が出ている。
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