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南アのアルコール販売禁止、ワイン産業に深刻な危機

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 南アフリカが新型コロナウイルス対策で、昨年末から再び店頭でのアルコール類の販売と公共の場での飲酒を禁止した。ワイン産業はまもなく始まる収穫を前に危機感を募らせている。


 シリル・ラマポーザ大統領は、感染力の強い変異種によって新型コロナウイルスの累計感染者が100万人を超えたとして、12月28日に規制をレベル3に引き上げた。店頭でのアルコール類の販売禁止、公共の場での飲酒禁止、外出規制強化、公共の場のマスク着用などを義務付けた。1月11日の国民演説でも、屋内外での集会の禁止、夜間外出禁止、店頭でのアルコール類の販売と消費の禁止の継続を発表した。


 アルコール販売の禁止は、過度な酔っぱらい、喧嘩、暴力などを防ぐために、昨年3月26日に実施され、4月7日にいったん解禁されたが、16日に再び実施された。5月1日に緩和され、輸出も再開されたが、深刻な事態を受けて、7月に再度導入されて8月に解禁された。


 今回のアルコール販売禁止は、過度の飲酒による暴力や事故で外傷を負う案件が生じて、医療体制を圧迫するリスクがあるのが理由とされている。


 南アのワイン産業は2020年のアルコール販売禁止やワイン輸出の禁止によって、大きなダメージを受けた。金融グループ、ネドバンクによると、2億8000万-3億リットルのワインが売れ残っているという。


 南アの2500の栽培農家、ワイン生産者らが加盟する「Vinpro」は、今月にも始まる収穫を前に、重大な懸念を示している。昨年のロックダウンや販売禁止によって、75億ランド(約510億円)の販売が失われ、直接販売できるワイン観光の崩壊によって、深刻な失業が生じたとしている。


 レストランは現在、午後8時まで営業できるが、店頭でのワイン販売と消費は禁止されている。昨年の末には、ワイナリーからワインが盗まれる事件も起きた。

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