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イタリアのシチリアワインを世界に広めたシチリアワイン産業の先駆者ディエゴ・プラネタが19日、亡くなった。80歳だった。
1940年生まれのプラネタは、父が設立したセッテソリ協同組合で、73年から2011年まで理事長を務めた。家族ワイナリーのプラネタを85年に設立し、95年に最初のワインをリリースした。プラネタは400haの畑を所有し、メンフィ、ヴィットリア、ノート、エトナ、カポ・ミラッツォの5地区にワイナリーを展開する。
プラネタはバルクワインの産地だったシチリアを、高品質ワイン産地に転換した原動力だ。ルッチオ・タスカ・ダルメリータ、ドンナ・フガータのジャコモ・ラロと共に、プロモーション団体「アッソヴィーニ・シチリア」(Assovini Sicilia)を設立し、シチリアン・アン・プリムールを開くなどして、シチリアのワインを世界に広めた。
国際的に活躍するエノロゴを起用して、現代的な醸造装置を導入し、国際品種を栽培して、シチリアワインのイメージを変えた。メンフィにあるセッテソリ協同組合は現在、2000人を超す組合員を抱える。最初にジャコモ・タキスをコンサルタントに迎え、89年にはカルロ・コリーノを雇い、温度管理のできるステンレスタンクやモダンな除梗機などを導入して、品質を高めた。マンドラ・ロッソなどのヴァリューなワインで知られる。
プラネタはコリーノの助言で、シャルドネ、メルローなどの国際品種を植えて、土着品種とブレンドワインも手掛け、モダンなスタイルのワインで評価された。プラネタのワインはシチリアでも最も多くのトレビッキエーリを獲得し、シチリアを代表するブランドとなっている。現在は娘フランチェスカ、甥のサンティ、アレッシオがワイナリーを経営している。
農業への功績により、2004年にイタリア共和国大統領から「Cavaliere del Lavoro」(騎士)の勲章を授与された。2017年には「シチリア文化大賞」(Il Premio alla Cultura)を授与された。
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