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シャンパーニュ委員会はプロと愛好家がシャンパーニュの知識を深められる無料のオンライン学習コースを始める。シャンパーニュの製法やテロワールなどの理解をを広めるとともに、スペシャリストの教育家を養成する。世界3番目の輸出市場である日本は重要なターゲットで、日本語字幕にも対応している
このオンライン講義は、だれもがネット上で無料で教育を受けられる「Massive Open Online Course」(MOOC)の考えに基づいている。トレード、ジャーナリスト、ソムリエ、教育家らプロフェッショナルが主なターゲットだが、愛好家もカバーしている。多くの映像やクイズが盛り込まれ、シャンパーニュの多様性、複雑な製法、テロワール、歴史などのコンテンツを、ウェブプラットフォームで学べる。音声はフランス語と英語だが、日本語など6か国の字幕が付いている。
12月からコースは始まるが、登録は既にこちらから、受け付けている。
パリベースのJeremy CukiermanMW、料理人、ソムリエ、ワインメーカーらの専門家が指南役を務める。コースを終えれば修了書を取得できる。その後は、委員会が提携するワインスクールでテイスティングなどの実技の講義を受けて、最終試験合格者は「シャンパーニュ・スペリシャリスト」に認定される。
来日したシャンパーニュ委員会のヴァンサン・ペラン事務局長は「日本人は学習意欲が高く、知識を有するプロが大勢いる。プロはもちろん、若い世代のエキスパートにも使って、さらに理解を深めてほしい。一つの国に限らず、各国のエキスパートがつながれるようなコミュニティを築きたい」と語った。
ペラン事務局長は日本で650人のシャンパーニュ・エキスパートを輩出したいという狙いを明かした。エキスパートがワインスクールで行う講座を通じて、シャンパーニュの理解と普及を拡大したい意向。委員会は世界的な教育機関WSETのパートナーにもなっている。将来的にはWSETのワインやSAKEと同じく、CHAMPAGNEの独立したコースと資格を創設したいという構想を持っている。
日本国内のワインスクールでは、シャンパーニュの講座の人気が高いが、シャンパーニュ委員会が主催する講座を除いては、きちんとした教育手法が確立されていない。シャンパーニュ・スペシャリストの養成は、正しい知識の普及と消費の拡大につながる。ボルドーやブルゴーニュの生産者委員会も、同様の試みに取り組んでいる。
2018年の日本向けシャンパーニュ輸出量は1360万本で、金額も増加した。輸出のトップ市場は英国で、2番目は米国。フランス国内向け出荷量は初めて、50%を割り込んだ。
2019年の出荷量について、ペラン事務局長は「今のところ、世界的な出荷量は横ばいかやや減少傾向。日本向けは量も金額も増加傾向にある。英国は横ばい、米国も増加傾向にある。フランスは減少傾向」と語った。シャンパーニュの消費はこれからクリスマスにかけて増加するため、結論を出すには早すぎるが、令和を迎えた日本のシャンパーニュ市場は好調なようだ。
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