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セドリック・ブシャールがマイブームだ。帰国して落ち着いたところで、最もベーシックなキュヴェ、アンフロレッサンスの「ブリュット ブラン・ド・ノワール」を開けた。
アンフロレッサンスは、セドリックがローズ・ド・ジャンヌのセカンドワインとして2003年から始めた。年産9000本。かつては父の畑だったが、近年の耕作は彼自身が行っている。パリのショップでもよく目にするから、セドリックに入門するにはうってつけだ。
セドリックは単一の品種、区画、収穫年が身上。今回のワインは、ポリシー村近くのリューディ、コート・ド・ヴァル・ド・ヴィレーヌの2011年産ピノ・ノワールから。2013年4月のデゴルジュマン。飲むには早いが、仕方ない。シャンパーニュというより、スティルワインとして優れている。ノンドゼ。搾りたてのリンゴジュースを飲むようだ。果汁のおいしさがそのまま伝わってくる。ジューシーでピュア。丸くて、洗練されているが、コアにエネルギーを秘めている。強さがあるが、重くはない。ビオディナミで耕作している。ヘクタール当たり収量は26ヘクトリットル。
泡が苦手なセドリックは、通常は6ある気圧を4・5に抑えている。ガスにごまかされずにワインの本質に迫っている。逆に言うと、ごまかしがきかない。アンセルム・セロスとよく比較されるが、2人は会ったことはない。電話で相談したりしているという。樽を使って酸化させたセロスと、全く樽を使わないブシャールと。スタイルは違えど、泡がシャンパーニュの本質ではないという考えは共通している。
アンフロレッサンスの畑は父から購入し、2012年分からローズ・ド・ジャンヌとして詰めるらしい。アンフロレッサンスにはもう一つ、ラ・パーセレールというリューディもある。それは少し高いが、現在は05が出ている。今回エペルネのショップでローズ・ド・ジャンヌもずいぶん購入した。楽しみだ。
この日は日テレの友人らとの会。ブルゴーニュ好きが多く、ジョルジュ・ルーミエのモレ・サン・ドニ・クロ・ド・ラ・ブシェール2002、ヴェルジェのシャブリ1995、デュガ・ピィのラヴォー・サン・ジャック1999などいいワインが集まったが、最も面白かったのはジャン・グリヴォのクロ・ド・ヴージョ1989。ギイ・アカッド時代のワインだ。アカッドのワインは皆同じスタイルになると言われたが、四半世紀を経て、クロ・ド・ヴージョの下部斜面の太さと濃厚さを表現したワインに進化していた。
エティエンヌ・グリヴォを先月、訪問した際は「アカッド時代は失敗作と皆がいうが、そうは思わない」と話していた。その言葉は、今回のワインで裏付けられた。ただ、独特の硬さが残っている。
低温浸漬を長引かせるため、大量の酸化防止剤を添加したせいだろう。現地で購入した59年や69年のネゴシアン物にこのような硬さ、というか若さを残したワインが多かった。酸化防止剤の少なさや無添加を賞賛する声があるが、そうしたワインが半世紀後に生き残っているだろうか。この日本で。最後はバランスの問題だけれど。
(2014年2月 ワイン会で)
シャンパーニュ セドリック・ブシャール アンフロレッサンス リューディ コート・ド・ヴァル・ヴィレーヌ
購入:パリのショップ 34ユーロ
月に一度は飲みたい度:93点
アンフロレッサンスは、セドリックがローズ・ド・ジャンヌのセカンドワインとして2003年から始めた。年産9000本。かつては父の畑だったが、近年の耕作は彼自身が行っている。パリのショップでもよく目にするから、セドリックに入門するにはうってつけだ。
セドリックは単一の品種、区画、収穫年が身上。今回のワインは、ポリシー村近くのリューディ、コート・ド・ヴァル・ド・ヴィレーヌの2011年産ピノ・ノワールから。2013年4月のデゴルジュマン。飲むには早いが、仕方ない。シャンパーニュというより、スティルワインとして優れている。ノンドゼ。搾りたてのリンゴジュースを飲むようだ。果汁のおいしさがそのまま伝わってくる。ジューシーでピュア。丸くて、洗練されているが、コアにエネルギーを秘めている。強さがあるが、重くはない。ビオディナミで耕作している。ヘクタール当たり収量は26ヘクトリットル。
泡が苦手なセドリックは、通常は6ある気圧を4・5に抑えている。ガスにごまかされずにワインの本質に迫っている。逆に言うと、ごまかしがきかない。アンセルム・セロスとよく比較されるが、2人は会ったことはない。電話で相談したりしているという。樽を使って酸化させたセロスと、全く樽を使わないブシャールと。スタイルは違えど、泡がシャンパーニュの本質ではないという考えは共通している。
アンフロレッサンスの畑は父から購入し、2012年分からローズ・ド・ジャンヌとして詰めるらしい。アンフロレッサンスにはもう一つ、ラ・パーセレールというリューディもある。それは少し高いが、現在は05が出ている。今回エペルネのショップでローズ・ド・ジャンヌもずいぶん購入した。楽しみだ。
この日は日テレの友人らとの会。ブルゴーニュ好きが多く、ジョルジュ・ルーミエのモレ・サン・ドニ・クロ・ド・ラ・ブシェール2002、ヴェルジェのシャブリ1995、デュガ・ピィのラヴォー・サン・ジャック1999などいいワインが集まったが、最も面白かったのはジャン・グリヴォのクロ・ド・ヴージョ1989。ギイ・アカッド時代のワインだ。アカッドのワインは皆同じスタイルになると言われたが、四半世紀を経て、クロ・ド・ヴージョの下部斜面の太さと濃厚さを表現したワインに進化していた。
エティエンヌ・グリヴォを先月、訪問した際は「アカッド時代は失敗作と皆がいうが、そうは思わない」と話していた。その言葉は、今回のワインで裏付けられた。ただ、独特の硬さが残っている。
低温浸漬を長引かせるため、大量の酸化防止剤を添加したせいだろう。現地で購入した59年や69年のネゴシアン物にこのような硬さ、というか若さを残したワインが多かった。酸化防止剤の少なさや無添加を賞賛する声があるが、そうしたワインが半世紀後に生き残っているだろうか。この日本で。最後はバランスの問題だけれど。
(2014年2月 ワイン会で)
シャンパーニュ セドリック・ブシャール アンフロレッサンス リューディ コート・ド・ヴァル・ヴィレーヌ
購入:パリのショップ 34ユーロ
月に一度は飲みたい度:93点
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