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ボルドーの格付け1級、シャトー・オー・ブリオンの品質を向上させ、ボルドーのワイン造りを近代化した伝説的な醸造家ジャン・ベルナール・デルマスが3日、亡くなった。83歳だった。
デルマスは1935年、オー・ブリオンで生まれ、40年近くをオー・ブリオンのワイン造りにささげた。1921年から支配人を務めていた父ジョルジュの後を継いで、1961年から2003年まで、オー・ブリオンの技術責任者と支配人を務めた。また、ドメーヌ・クラレンス・ディロン傘下のラ・ミッション・オー・ブリオンなどのワイン造りも担当した。その後、ブイグ兄弟が2006年に買収したシャトー・モンローズに招聘され、支配人を2011年まで務めて引退した。その後も、コンサルタントとして、モンローズのワイン造りに助言した。
1961年という早い時期にステンレスタンクを導入した。自らデザインしたステンレスタンクは、木製の発酵槽に生じるバクテリアの問題を取り除き、温度調節を可能にした。多くのシャトーが後に続いた。
また、フランス国立農学研究所(INRA)と連携して、1970年代に古木からカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロのマッサール・セレクションをすると同時に、クローン研究をしながら、区画に最適なブドウ樹を選んで、畑の植え替えを進めた。選果台も早くからとりいれた。
ドメーヌ・クラレンス・ディロンのチェアマン、ルクセンブルグ大公国ロベール殿下は「彼の魅力とユーモアは、幸運にも彼と会えた全員の心に残った。無限の好奇心と革新的な精神は、シャトーと我々のワインを新たな高みに持ち上げた」と追悼の言葉を贈った。
オー・ブリオンとラ・ミッション・オー・ブリオンを含むクラレンス・ディロン傘下のシャトーのワイン造りは、息子のジャン・フィリップが2004年に継承した。
シャトー・オー・ブリオンはジャン・ベルナール・デルマスが手掛けた1961以降、息子のジャン・フィリップが手掛けたヴィンテージも含めて、1961、1989、2005、2009、2010、2015、2016と7回のパーカーポイント100点を獲得した。1983年に買収したラ・ミッション・オー・ブリオンは1989、2000、2005、2009で100点を獲得。モンローズでも2009、2010にパーカーから100点を得た。
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