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フランスは外国人観光客数が世界で最も多く、世界で最も人気のある旅行先の座を維持している。ボルドーもワイン観光に力を入れている。かつては、トレードやメディアのプロを主な対象としていた面もあるが、近年は愛好家にも開かれている。代表的なスポットや料理を紹介する。
夢のワイン複合施設 ラ・シテ・ドゥ・ヴァン
ワイン観光の象徴とも言えるのが、ボルドー市内のジロンド川沿いにあるワインの複合施設「ラ・シテ・ドゥ・ヴァン」である。年間42万人が訪れる人気の観光スポットだ。180か国から愛好家やプロを受け入れるが、基本はフランス国内の来場者。その比率は62%に達する。自国民に愛される場所作りが、ワインツーリズム成功の鍵を握っているようだ。
2016年にオープンした。日本語を含む、8か国語の音声案内が用意されており、19の異なるテーマの展示を楽しむ事が出来る。4種類のツアーガイドもあり、観光客の平均滞在時間は約2時間。全てをじっくり見学すると10時間ほどかかる。
ワインの歴史を3D映像で学べ、ワインに存在する様々な香りを目と鼻で体験することも出来る。8階のテイスティングルームでは、入場券に含まれるチケットで世界20か国のワインから1杯を選んでテイスティングが出来る。20ユーロの入場券でこれだけ充実した体験型の展示があれば、満足度は非常に高い。常設の展示以外にも世界のワイン産地による特別展がある。何度訪問しても新しい発見がありそうだ。
アクセス
Address: 1, esplanade de Pontac 33300 Bordeaux,
Tel: +33 (0)5 56 16 20 20
インスタ映えスポット ブルス広場と水鏡
国王ルイ15世の主席建築家アンジュ・ジャック・ガブリエルにより設計された、ボルドーのランドマークとなる広場。両側には、商業会議所(旧証券取引所)と国立税関博物館があり、道路を挟んで世界一の大きさを誇る水鏡が広がる。ガロンヌ河を背に水鏡とブルス広場を撮るのがおすすめ。夜は雰囲気が変わって、全く異なる印象の写真が撮れる。
10年足らずでボルドーで最も人気の撮影スポットになった水鏡。水鏡がある川沿いに莫大な投資をし、景観を整えた。観光客を惹きつけただけでなく魅力的な居住地となった。
アクセス
Place de la Bourse & miroir d'eau Address: 33000 Bordeaux
Tel: +33 (0)5 56 10 20 30
葡萄の枝で焼くメドック風バーベキュー
メドック地方のシャトーを訪れると、一度は経験するのが“メドカン・スタイル”のバーベキューである。剪定した葡萄の枝を使って、巨大な牛肉を豪快に焼き上げる。ワイン生産の盛んなポルトガルやアルゼンチンでも出会うが、ここでは地元産の銘柄牛ブロンド・ド・アキテーヌ牛を使用し、生のエシャロットのみじん切りをかけて食べるのがメドック風。エシャロットがある事でお肉がさっぱりといただける。赤ワインとの相性は言うまでもない。
メドック名物 グルニエ・メドカン
ステーキの前菜はグルニエ・メドカン。これもメドックの定番料理だ。豚の胃袋を塩、胡椒、ハーブなどで漬け込み、ブイヨンで煮たものを冷たく冷やしている。しっかりと黒胡椒が効いており食感が豊か。料理としては軽い味わいのため、スパイシーな軽めの赤ワインとよく合う。
名物お菓子 カヌレ・ド・ボルドー
日本でもずいぶんとポピュラーになったお菓子。ワインを清澄する際に使用する卵白をの残りとなる卵黄で造るボルドー地方の特産お菓子。外はカリッと香ばしく、中はしっとりとした食感。そのコントラストが魅力となっている。
観光地として発展するには観光客だけではなく、そこに暮らす人々が生活をする場所としても魅力的である事が必要だと感じた。ボルドー市内中心部の水鏡や、ジロンド川沿いのシテ・デュ・ヴァンは、住民の暮らしに溶け込み、発展している。
それはメドックのワイン産地も同様である。メドック半島の最北部に位置するシャトー・ルーデンヌを訪問して、驚かされたのは、地元民が夕方になると犬を連れて、ジロンド川沿いに散歩する風景だった。
川面をすべる風が昼間のほてりを癒やしてくれる。自由に出入りでき、試飲もできる。シャトーが地域コミュニティの核となっている。日常生活の一部にシャトーが溶け込んだ暮らしはとても魅力的に見えた。
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