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米仏のワイン貿易不均衡、ワイン文化の違いに起因

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 米国のトランプ大統領は、フランスが導入するIT企業へのデジタル課税について、フランス産ワインへの報復関税を示唆した。トランプ大統領は過去にもフランスワインの関税の高さへの不満をもらしたことがある。根底にはワインをめぐる米国とフランスの貿易不均衡があり、問題は容易に解決しない。


 トランプ大統領は26日、ツイッターで「マクロンの愚かな行いに、相当な報復措置を近く発表する」と発言した。禁酒主義者だが「米国産ワインはフランスワインよりよいと常に語ってきた」と発言し、報復の対象がフランスの主要な輸出品のワインであることを示唆した。


 フランスの議会が、米国の巨大IT企業も対象に、フランス国内の売り上げに3%課税する法案を可決したのに対するもの。8月末にビアリッツで開かれるG7を前に報復関税を明らかにすると見られる。


 トランプ大統領のフランスワインへの不満はこれが初めてではない。6月にCNBCと行った電話インタビューでも、「フランスはワインに対して我々に多くの対価を求めている。にもかかわらず、我々は米国産ワインに対してほとんど求めていない。不公平だ」と、関税の違いについて不満を述べた。


 また、トランプ大統領は昨年11月、第一次大戦終結100年の記念式典でパリを訪れた際も、マクロン大統領の提唱した「欧州軍」創設を批判した上で、さらに「問題は米国産ワインをフランスに売るのをフランスが困難にし、大きな関税を課していることだ。米国はフランスワインを売りやすくして、極めて小さな関税しか課していない。公平ではない。変えなければならない」とツイッターで発言した。


 カリフォルニアのワイン・インスティテュートによると、EUの750mlのワインに対する関税は0.11-0.29ドルなのに対し、米国の関税はスティルワインが0.05ドル、スパークリングワインが0.14ドルとなっている。確かに、違いはあるが、それほど大きな差とも言えない。


 EUの2017年のワイン輸出額は250億ドルで、このうち米国は32%を占めるトップ市場の座にある。これに対して、EUのワイン輸入額のうち米国ワインが占める比率は16%にすぎない。フランスのワイン輸出額は103億ドルで、EU全体の41%を占めている。

 
 米国は世界最大のワイン消費国であり、フランスワインの最大の輸入市場なのに対して、フランスで米国産ワインはそれほどポピュラーではない。フランス人はそもそも地元産ワインを飲む傾向が強く、EU内のイタリアやスペイン産ワインですら、一般のワインショップで見つけるのは難しい。カリフォルニアを中心とする米国の生産者は、フランスワインをお手本にワインを造ってきた。愛好家の最終地点もフランスだ。関税の是正だけで、ワイン文化の異なる両国のワイン貿易不均衡が是正できるとは思えない。

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