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2人のリジェ・ベレールは期待の星

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 ブルゴーニュの今後を担う存在として注目なのが2人のリジェ・ベレールだ。ラ・ロマネを再興したルイ・ミシェル・リジェ・ベレールだけでなく、いとこのティボー・リジェ・ベレールも飛び切りのワインを造っている。

 2人ともナポレオン1世に仕えたリジェ・ベレール将軍の流れをくむ。ルイ・ミシェルが暮らすヴォーヌ・ロマネのシャトーもすごいが、ティボーがニュイ・サン・ジョルジュの街中に構える屋敷も大きい。ルイ・ミシェルはちょっと澄ましたところがあり、ティボーは人懐っこい。

 2人に共通するのは、名門の家系に生まれながら、自らの意思でヴィニュロン(ブドウ栽培者)になったこと。ルイ・ミシェルは長年、不在地主だったが、子供のころからワイン造りを志していた。ティボーも貸し出していた畑を取り戻して、自分の手でワイン造りを始めた。フランスの法律は栽培農家の権利に手厚いから、いざ返してくれと言っても、簡単にはいかない事が多い。

 ティボーがグランクリュ昇格運動の旗振り役を務めるニュイ・サン・ジョルジュのレ・サン・ジョルジュに行った。すぐ下斜面の村名の土と比較すると違いは歴然としていた。ビオディナミに取り組む彼の畑は土がサラサラとほぐれ、隣人の畑の土は団子状に粘っている。見ただけでもわかるが、指でさわるとさらによくわかる。

 そのサンジョルジュの2012を樽から試飲した。2012の例によって、生産量は減ったが、出来は素晴らしい。濃密さと緊張感が同居するこのヴィンテージらしい仕上がり。少量生産のリシュブールはさらにすごい。いろいろなリシュブールを試飲したが、濃密さ、緻密さ、妖艶さで、彼のリシュブールはトップクラスを行く。ヴォーヌ・ロマネのトップ生産者に引けをとらない。

 翌日から、樽材を求めて、フランス全土に長いたびに出ると話していた。オークも、石灰岩、粘土など土壌によって性格が異なるという。それを考えながら樽材を探し、造っているという。彼もまた、ブルゴーニュの新しい世代といっていいだろう。

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