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バランス目指すサンディ、カリフォルニアの最前線

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 カリフォルニアで起きている新しい動きを象徴するのが、IPOB(In Pursuit of Balance)だ。バランスのとれたピノ・ノワールとシャルドネを追求する生産者が集まっている。

 その多くをカリフォルニア・ワインズ・サミットでも試飲して、衝撃を受けた。発起人は、ソノマ・コーストの先駆デヴィッド・ハーシュの娘ジャスミンと有名ソムリエのラジャ・パー。2011年に初イベントを開いた。生産者だけでなく、小売商、ソムリエ、ジャーナリストも参加している。

 パーカーが好むビッグ・フレイヴァーのワインとは対照的に、果実、パワー、アルコール、タンニンのバランスを重視している。日本でも輸入が始まっている。サンフランシスコの有名レストラン「マイケル・ミーナ」のワイン・ディレクターを務めるラジャ・パーが関わるサンディのベーシック・ワインを開けた。

 サンディはサンタ・リタ・ヒルズに特化したワイナリー。前スクリーミング・イーグルのチャールズ・バンクス、ワインメーカーのサッシ・ムーアマンと共に2010年に設立された。

 サンタ・バーバラ・カウンティのシャルドネ2012は、ミルキーな口当たりで、クルミやメロンの香り。予想以上に豊満なスタイルだが、アルコール度は控えめ。13%と表示されている。緊張感と酸があり、熟した果実が突出するのを抑えている。キスラーのアルコール度を1%以上下げて、全体のバランスをとった感じだ。アルノ・ロバーツがシャブリとすれば、サンディはムルソーという感じだろうか。ラジャ・パーに最も影響を与えた師匠は、オー・ボン・クリマのジム・クレンデネンだという。スタイルはサンディの方がリッチだが、冷涼なサンタ・バーバラのテロワールを表現しようという狙いはわかる。

 山脈が東西に走るサンタ・リタ・ヒルズは、サンタ・バーバラでも面白い産地の一つ。その可能性を追求しようというプロジェクトだ。ドメーヌ・ド・ラ・コートという別プロジェクトもあり、目が離せない。

(2013年12月 自宅で)
サンディ シャルドネ サンタ・バーバラ・カウンティ2012
輸入元:中川ワイン 希望小売価格 4500円
月に一度は飲みたい度:88点

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