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飲み頃ポンソ、2001を江戸前寿司と

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 寿司と合うのは泡モノか白ワインだ。わかってはいるが、泡、白と通すのは飽きる。赤も少しは飲みたい。

 そんなときに、果実味やタンニンが強いワインは使えない。普通に考えると、ブルゴーニュがいい。ただ、若いヴィンテージやグランクリュは避けたい。若いとタンニンがこなれていない。グランクリュは個性が強すぎて、寿司にもワインにも不幸な出会いとなる。

 そんなことを考えて、セラーをのぞいたら、おあつらえのボトルを発見。ポンソの2001年。しかも村名。2、3年前に買ったときはのびしろがあった。ちょうどいい。

 モレ・サン・ドニ・キュヴェ・デ・グリーヴはポンソが手がける3つの村名の一つ。ジュブレ・シャンベルタンとシャンボル・ミュジニーに比べると、最も硬いが、まあいいだろう。今では1万円を超えるが、かつては4000円で買えた。

 ルロワやDRCと共通するオレンジの皮の香り。熟成して、マーマレードのジャムのようだ。除梗するので、スパイシーな要素はないが、遅摘みからくる果実が熟した感じがある。2001年は冷涼な夏で、補糖をしたようだが、バランスの悪さは感じない。

 新樽は使わない。微妙に酸化したニュアンスはいつも通りだが、果実の強さで持ちこたえている。古漬けのタクアン、熟成した牛肉の複雑な香りが、ポンソを飲んでいる実感につながる。いつ飲んでも、独特の世界に到達している。2001はこれ以上、発展しない。飲み頃だ。

 ワインは素晴らしいが、江戸前寿司との相性には無理があった。肉を呼ぶ味だ。白身や貝とは難しい。キンキの煮付けやアナゴとは相乗した。最初に開けたのが、ジャック・セロスのブラン・ド・ノワール。すべてをカバーできる懐の深さがあったから、あえてピノを持ってくる必要がなかった。計算違いだ。最初に、ブラン・ド・ブランだったら、ポンソの出番も多かっただろう。

 ポンソは大好きなワインだが、料理を包む器の大きさでは、セロスのラ・コート・ファロンが優った。1500本程度の生産量で、手に入れにくいが、コート・ファロンの使いでの良さを改めて思った。

(2013年12月 東京・浅草の「太助寿司」で)
ドメーヌ・ポンソ モレ・サン・ドニ・キュヴェ・デ・グリーヴ 2001
購入:楽天市場 4000円
年に一度は飲みたい度:89点

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