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ナパの新星アルノー・ロバーツにシャブリを連想

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 カリフォルニアのブルゴーニュ品種に、新たな動きが現れている。冷涼な気候から抑制されたワインを造る。2013年10月に行われたカリフォルニア・ワインズ・サミットの最大の発見だった。

 気になる造り手を年末に立て続けに飲んだ。まずはアルノー・ロバーツから。サミットで白ワインの新潮流を紹介したサンフランシスコ・クロニクル紙のワイン編集長ジョン・ボネ2012年のクロニクル紙のワインメーカー・オブ・ザ・オヤーに選んでいる。

 2001年にヘルズバーグで、幼なじみのダンカン・アルノー・メヤーとネイザン・リー・ロバーツが設立した。カベルネ、シラー、シャルドネなどを、単一区画から少量生産している。13アイテムで2000ケースしか生産量がない。発想はブルゴーニュと同じく、区画の表現だ。

 冷涼で、標高の高い畑を探している。サミットで飲んだ、サンタ・クルーズ・マウンテンのトラウト・ガルチ・ヴィンヤード(Trout Gulch Vineyard)2012は印象深かった。2人組が注目を集めるきっかけとなったナパヴァレーのグリーン・アイランド・ヴィンヤードの2008を30ドルで見つけた。

 シャブリのように緑がかった黄色。ナパヴァレーで、5年たったシャルドネでは考えられない。普通はもっと黄金がかっている。グリーン・アイランドはナパの南端の畑で、冷涼なサンパブロ湾の冷涼な影響を受けているそうだ。濡れた小石、青リンゴの香り。控えめで、緊張感がみなぎっている。ブラインドなら、ラヴノーの熟したプルミエクリュと間違えても不思議ではない。アルコール度は12・9%。

 ただ涼しいだけでなく、コアには良作年のムルソー・ペリエールのような熟した黄色の果実が詰まっている。そこがナパらしい。驚くべきワインだ。3日ほど飲みつないだが、次第にタイトニットがほぐれて、香りが複雑に進化した。この畑は現在はワトソン・ランチという畑にとって代わられた。アルノー・ロバーツはリボラ・ジャッラやトゥーリガ・ナショナルなども手がけている。シャルドネはメインではないが、完成度は高い。

 今回のシャルドネ10樽。ほかのワインも似たような生産量だ。単一畑、小ロットの生産で付加価値をつけようというマーケティングだろう。ショップに残っていた在庫をすべて買い占めた。

 ロバーツの父は樽製造業者で、祖母は未亡人のマルグリット・モンダヴィ。マルグリットはエコなラベルのデザインを手伝っているという。もちろんロウキャップ。新樽が必要な際は自分で造るという。ナパに登場した新星だ。

(2013年12月 自宅で)
アルノ・ロバーツ シャルドネ グリーン・アイランド/ベイ・ヴィンヤード シャルドネ 2008
購入:米西海岸のショップ 30ドル
週に一度は飲みたい度:94点

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