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フランス料理界の法王、ポール・ボキューズ死去

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 フランス料理界の法王と言われたポール・ボキューズが20日、リヨン郊外のレストラン兼自宅で亡くなった。91歳だった。Facebookで家族が発表した。パーキンソン病と闘っていたという。
 ボキューズは1926年、リヨン近郊のローヌ県コロンジュ・オ・モン・ドール料理人の家系に生まれた。ローヌの「ラ・ピラミッド」のフェルナン・ポワンをメンターに抱き、1960年代末から70年代初めにかけて、重厚なソースを使った古典的なフランス料理から、新鮮な素材と軽いソースで斬新な組み合わせの料理に変える流れを生み出し、アンリ・ゴーとクリスチャン・ミヨに「ヌーヴェル・キュイジーヌの旗手」と称揚された。
 3つ星を1965年から半世紀以上にわたり維持し、フランス料理界に大きな影響力を誇った。ニューヨーク・タイムズ・マガジンなど多くのメディアに登場し、料理人のイメージを上げたセレブシェフの先駆けでもあった。日本にフランス料理を広めた辻静雄氏との交友から、多くの日本人シェフがリヨンの「ポール・ボキューズ」で修業し、国内にも系列店を展開している。同じく支店のある米国にもジャン・ジョルジュ、ダニエル・ブールら多くの弟子がいる。
 スズキのパイ包み焼きソース・ショロンや、1975年にレジオンドヌール勲章を叙勲した際のエリゼ宮晩さん会でヴァレリー・ジスカール・デスタン大統領に捧げたトリュフのスープなどの名物料理はあまりに有名。
 戦前から地元のレストランで見習いを始め、戦後はパリのルカ・キャルトンで修業し、その時の同僚にピエール&ジャン・トロワグロ兄弟がいる。北部ローヌ・ヴィネンヌの「ラ・ピラミッド」では8年間修業し、エスコフィエの古典から脱した新たなスタイルを作り上げた。1956年に生家のレストラン「オーベルジュ・デュ・ポン・ド・コローニュ」を継ぎ、58年に1つ星を獲得、60年には紙製のテーブルクロスとステンレスのカトラリーのレストランは2つ星を得た。3つ星を得た翌年の66年に祖父が売っていたレストランを買い戻し、自らの名前の冠した派手な外観のレストランに仕立てた。
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