世界の最新ワインニュースと試飲レポート

MENU

  1. トップ
  2. 記事一覧
  3. 15年熟成のアリアニコ、カンティーナ・デル・タブルノ「ブエ・アピス」を創作串揚げと

15年熟成のアリアニコ、カンティーナ・デル・タブルノ「ブエ・アピス」を創作串揚げと

  • FREE
 協同組合は玉石混交だが、イタリア南部ではいいワインに出会うことも多い。優れたエノロゴ(醸造家)を雇い、量から質への転換を図った組合は、お手頃で上質なワインを量産している。カンパーニャ州のカンティーナ・デル・タブルノもその一つだ。1972年にベネヴェント県に設立され、98年からナポリ大教授で、南部を代表するルイジ・モイオがコンサルタントを務めている。300人の組合員がいて、約600haの畑でブドウを栽培している。
 2002年、ナポリのワインショップを回った際、どこでも棚のいい場所に飾られている赤ワインがいくつかあった。テッラ・ディ・ラヴォーロのガラルディ、フェウディ・ディ・サン・グレゴリオのセルピコ、ペリッロのタウラージ……カンティーナ・デル・タブルノのフラッグシップ「ブエ・アピス」もそのうちの1本だった。2000年を持ち帰り、15年熟成したところで、大阪・天満橋の創作串揚げ「はんじゅく」に持ち込んだ。
 「カンティーナ・デル・タブルノ ブエ・アピス ベネヴェントIGT  2000」(Cantina del Taburno Bue Apis Beneventano IGT 2000)はアリアニコ100%。濃厚だが、ジューシーで、タンニンはウルトラスムーズ。フローラルで、ブラックチェリー、すりつぶした黒オリーブ、甘草、生き生きしていて、エレガント。きわめてエレガントな国際的スタイル。アリアニコは厳格になりがちだが、きれいに抽出して寝かせれば、素晴らしいフィネスをまとう。ピノ・ノワールやグルナッシュを連想させるところもあり、「南のバローロ」と呼ばれる理由を納得した。標高350メートルの南西向き粘土石灰質土壌の100年を超すブドウから。91点。
 アリアニコは晩熟で、ブエ・アピスの収穫も11月までずれこむ。標高の高さもあり、高めの酸を持つ。40日間にわたりマセラシオンしているが、北のバローロより丸さと温かさがあるから、料理に合わせやすかった。
 串揚げの濃厚なソースに合わせることを想定して、ワインはグルナッシュも考えたが、結局はアリアニコを選んだ。これは結果的に正解だった。和食店で修業したシェフの串揚げは洗練され、モダンな味わい。松茸コロッケ、せせり香草からしマヨ、ひろうすなどを、レモンやタルタルソースにつける。粗野なところがないブエ・アピスの気品とぴったりだった。
秋刀魚とも違和感なくマッチ
ブエ・アピス2000
松茸コロッケ
せせり香草からしマヨ
オーストラリア産の巨大なアスパラガス
牛肉

購読申込のご案内はこちら

会員登録(有料)されると会員様だけの記事が購読ができます。
世界の旬なワイン情報が集まっているので情報収集の時間も短縮できます!

Enjoy Wine Report!! 詳しくはこちら

TOP