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レーザー光線のように正確、ビボ・ルンゲが造る辛口ラインガウ

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 シュペートブルグンダーの造り手をアールで探索した旅で、目の覚めるようなリースリングに出会った。有名生産者がひしめくドイツ・ラインガウは、動きの少ないイメージがあるが、意欲的な新進生産者も登場している。辛口のリースリングにフォーカスしたビボ・ルンゲもその一つだ。
 ワイナリー名はウォルター・ビボとカイ・ルンゲの名前からつけた。ビボはシュロス・ラインハルツハウゼンの醸造長を10年ほど務めた。ルンゲはアンティーク家具の修復や経営コンサルタントをしていた。ハルガルテンの街にある小さな醸造所には、4ヘクタールの畑のワインを受け止める大樽が並んでいた。ここでは醸造に時間をかける。圧搾には伝統的なバスケットプレスを使用し、4-12時間かけることで、クリアな果汁が得られる。2400リットル、1200リットル、600リットルのピエスと一部はステンレスタンクで発酵される。発酵温度は16-18度と低く、ピュアなアロマを引き出している。
 「ラインガウ リースリング トロッケン 2015」は明るくて、レモンの皮、青リンゴ、生き生きしていて、鋼のように硬い。構成はシンプルだが、きわめてピュアで、軽やか。スクリューキャップ。90点。
 「ラインガウ リースリング トロッケン ハルガルデン 2015」はグレープフルーツ、オレンジ、粒子の一つ一つが見えるような高精細なワインで、かすかに還元してマッチの香り。粒子の一粒一粒が見えるような性格さがあり、深みと高い密度がある。土壌は粘土ロームに石が混じる。ここは単一畑ではなくブレンドによって、ラインガウとハウススタイルを表現する。92点・
 「ラインガウ リースリング トロッケン ハルガルデン 2014」はアルコール度が高く、より凝縮している。酸が高く、タイトで、レーザー光線のように正確。ミネラル感豊か。こちらは還元しておらず、樽使いのうまさを感じた。93点。
 続いて、ハルプ・トロッケン。「ラインガウ リースリング ハルプトロッケン 2015」は、オレンジの皮、パッションフルーツ、なめらかで柔らかい味わい。おおらかだが、焦点は合っている。ハツラツとした余韻。残糖はリットル当たり5グラム。90点。
 「ラインガウ リースリング ハルガルデン ハルプトロッケン 2015」は洋ナシ、白桃、柔らかいテクスチャーでふくよか、果実の集中力があり、深みもある。残糖は9.6グラムだが、酸が引き締めている。ハルプトロッケンはルースになりがちな造り手も多いが、酸の高さでバランスをとっている。92点。
 「ラインガウ リースリング ハルガルデン ハルプトロッケン 2014」は、2015よりアルコール度が11.5%と低いが、残糖も7.5グラムと少なく、バランスがとれている。タイトな2014をきれいにまとめている。2015より2014の方がエレガントで好ましい。93点
 「ラインガウ リースリング レヴォルッツァ 2015」は、自然酵母で発酵し、ハーフサイズのピエスで仕込んだ。まろやかなアタック、火の入った青リンゴ、パイナップル、ココナッツ、凝縮した果実が樽を吸収している。ヴォリューム感があり、力強い味わい。アルコール度は13.5%、残糖は6.9グラムの辛口。果実と酸が高次元でバランスし、名前の通り「革命的」。94点。
 どのキュヴェも焦点があっていて、ピュアで研ぎ澄まされた果実を残糖とのバランスを考えながら造っている。生産量は5万本。リーズナブルな価格設定で、アジアでは香港やフィリピンに輸出されている。日本への輸入を待ちたい。

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