「世界の名酒事典　2017年版」、凄い男が現れた！

　ウイスキー、スピリッツからワインまで網羅した唯一のお酒の事典「世界の名酒事典　2017年版」が刊行された。
　日本の酒シーンを切り開いてきた歴史的な本で、創刊38周年を迎えた。毎年、最も旬なトピックを巻頭記事に据えている。今回の旬のひとは「日本のワイン界に凄い男が現れた！『マスター・オブ・ワイン』の大橋健一さんに聞く」。宇都宮市の酒屋の跡取りから、「世界のKEN」に上りつめた半生を描いている。10年も配送トラックの運転手をしていた逸話など興味深い。
　最新トレンドは「ウイスキー蒸留所から『クラフトジン』が続々登場」。ウイスキーの世界的な権威、土屋守さんが、小規模蒸留所から生まれるジンやアイリッシュのクラフトディスティラリーなど、最前線の話題を語る。
　また、4月にアルゼンチンで行われた世界最優秀ソムリエコンクールに出場した石田博さんと森覚さんの、大会での秘話や今後の展望も、読み応えがある。「日本ワインほぼ完全カタログ」など、カタログ部分も充実している。
　講談社。3240円。