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LVMHのフラッグシップ、挑戦続けるドメーヌ・デ・ランブレイのジャック・ディヴォージュ(ブルゴーニュ2024)

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 ドメーヌ・デ・ランブレイを訪ねると、ジャック・ディヴォージュはいつも輝くような笑顔で迎えてくれる。ワイン造りを心から楽しんでいるのが伝わってくる。毎年のように畑が増えている。2024年はクロ・ド・ヴージョが加わった。クロ・デ・ランブレイに専念する職人的なドメーヌというのは過去のイメージだ。


 資金力豊かなLVMHが2014年から所有しているのが強みだ。大企業のブルゴーニュに進出という文脈の中で、ネガティブに見られがちだが、ランブレイにはあてはまらない。ジャックが2019年に着任してから右肩上がりで成長している。8.8haのクロ・デ・ランブレイは区画別醸造に切り替えて正確さが増した。オーガニックからビオディナミに移行している。


現代的なセラーと拡大する畑


 2022年には2年かけたセラーの改修を終えた。コス・デストゥルネルのように、果汁をエレベーターで階上に移動させるグラヴィティ・フローを取り入れた。フランソワ・フレールに特注した温度管理可能な円筒形の木製タンクを設置した。傾斜したトロンコニック(台形)と違って、可動式の天井を採用し、発酵を始める前の果汁の酸化を避けられる。


 畑の拡大も続いている。ドメーヌのすぐ下にある3つのプルミエクリュをコッソン家から入手した。クロ・ソルベ(Clos Sorbet)、クロ・ボーレ(Clos Baulet)、レ・ブランシャール(Les Blanchards)。さらに、ルロワが最大所有者のヴォーヌ・ロマネ・プルミエクリュのレ・ボーモン(0.45ha)、ペロ・ミノで知られるにニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエクリュ・ラ・リシュモーヌ(0.89ha)も手に入れた。


 ニュイ・サン・ジョルジュのプルミエクリュのレ・クラとル・ミュルジュも手に入れた。レ・クラは0.08haで1樽しかできないので、LVMHがパリにオープンしたホテル「シュヴァル・ブラン」内のレストランでのみ販売されている。


 訪れるたびにキュヴェが増えている。こんなドメーヌはほとんどない。畑が広がり、品質が上がっているのは資本力と、フィガロがフランス最高のヴィニュロン50人で10位に選んだジャックの能力があればこそだ。


 2024年は降り続いた雨の影響を受けて、開花期の花ぶるい、その後の病害で平均収量の45%を失った。厳格に選果を行ったが、果実の状態はよく、全房発酵比率はプルミエクリュが40%、グランクリュが80%。平年と同じ割合を維持した。茎の風味はきれいに溶け込んでいる。


 ここでは珍しく、白ワインから試飲を始める。ドメーヌ・ド・ラルロの支配人も務めたジャックは白ワインも得意で、ティエリー・ブルーアン時代の白より洗練されている。


2010をほうふつとさせる2024の深み


 「ドメーヌ・デ・ランブレイ ピュリニー・モンラッシェ・プルミエクリュ レ・フォラティエール 2024」(Domaine des Lambrays Puligny-Montrachet 1er Cru 1es Folatieres 2024)は0.38ha。オレンジの花、ライム、白い果実、繊細なテクスチャー、さわやかな酸。スパイシーな風味があり、ミネラル感を帯びた余韻が長く続く。92点。


 「ドメーヌ・デ・ランブレイ ピュリニー・モンラッシェ・プルミエクリュ クロ・デュ・カイユレ 2024」(Domaine des Lambrays Puligny-Montrachet 1er Cru Clos du Cailleret 2024)はピュセルの上部で名前通り石灰岩の小石が多い。フリンティで、レモンのコンポート、柑橘、オレンジの皮、フォラティエールより力強く張りがある。エネルギーが詰まっている。94点。


 「ドメーヌ・デ・ランブレイ モレ・サン・ドニ 2024」(Domaine des Lambrays Morey St Denis 2024)は斜面上部のアン・ラ・リュ・ド・ヴェルジーとレ・ラレーから。100%除梗された。新鮮なラズベリー、レッドチェリー、程よい果実味、タンニンは少し重い。スパイシーなフィニッシュ。90点。


 「ドメーヌ・デ・ランブレイ モレ・サン・ドニ・プルミエクリュ レ・ルー 2024」(Domaine des Lambrays Morey St Denis 1er Cru Les Loups 2024)はプルミエクリュのレ・ブランシャール、ラ・リオット、ル・ヴィラージュを同時に発酵させた。レッドチェリー、ワイルドベリー、タンジェリン、濃厚な果実味、きめ細かでこなれたタンニン、骨格がある。40%の全房発酵による茎のニュアンスはほぼ溶け込んでいる。92点。


 「ドメーヌ・デ・ランブレイ モレ・サン・ドニ・プルミエクリュ クロ・ボーレ 2024」(Domaine des Lambrays Morey St Denis 1er Cru Clos Baulet 2024)はモレで最小のプルミエクリュ。2022年に買い戻した0.33haを含む0.87ha。粘土質の礫岩。レッドチェリー、ストロベリー、シナモン、熟した果実味、力強いタンニン、やや重厚でスパイシーなフィニッシュ。92点。


 「ドメーヌ・デ・ランブレイ モレ・サン・ドニ・プルミエクリュ クロ・ソルベ 2024」(Domaine des Lambrays Morey St Denis 1er Cru Clos Sorbe 2024)はクロ・ボーレの隣の1.15ha。鉄分の多い赤土土壌。芳醇でどっしりしている。レッドチェリー、リコリス、ブラッドオレンジ、さわやかな酸、力強い果実味、骨太できれいに統合されてバランスがとれている。92点。


 2024年は時間がたつにつれて深みが増して将来が期待できる。ジャックいわく、2010年をほうふつとさせる。


 「ドメーヌ・デ・ランブレイ ヴォーヌ・ロマネ・プルミエクリュ レ・ボーモン 2024」(Domaine des Lambrays Vone-Romanee 1er Cru Les Beaux Monts 2024)はルロワのすぐ上の区画。標高が高く日当たりのよい0.45ha。肉厚でよく熟した甘美な果実味、構造があり繊細な酸味と調和している。レッドチェリー、ザクロ、シャクヤク、調和があり官能的な余韻。94点。


 デビュー作「ドメーヌ・デ・ランブレイ クロ・ド・ヴージョ 2024」(Domaine des Lambrays Clos de Vougeot 2024)は斜面上部のシャトーに近いジャン・ピエール・ギュイヨンが所有していた古樹の区画。0.31ha。明るい果実味、ダークラズベリー、砕いた石、バラの花弁、凝縮力と骨格はあるが重さはなく、優雅なバランスに包まれている。長い余韻。6樽。今後が楽しみ。95点。


 「ドメーヌ・デ・ランブレイ ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエクリュ ラ・リシュモーヌ 2024」(Domaine des Lambrays Nuits-St-Georges 1er Cru La Richemone 2024)は1924年に斜面中腹にピノ・ファンが植えられた0.89haから。香り高く、レッドチェリー、ラズベリー、オレンジの皮、シナモン、フレッシュな酸、しなやかなタンニン、サテンのテクスチャー、凝縮感がありバランスがとれている。美しい輪郭と長い余韻。試飲はいつもクロ・デ・ランブレイの前。ジャックいわく「ジュブレ・シャンベルタンのクロ・サン・ジャックのようにグランクリュのレベルだから」と。95点。


 「ドメーヌ・デ・ランブレイ クロ・デ・ランブレイ 2024」(Domaine des Lambrays Clos des Lambrays 2024)は11区画をブレンドしたサンプル。全房発酵80%。新樽60%。レッドチェリー、ワイルドベリー、アールグレイ、きめ細かいタンニン、豊かな果実味、最初はジューシーで、時間を経て繊細さと深みが増していく。重層的で、シルキーなフィニッシュ。96点。


 ランブレイはLVMHのポートフォリオの中でシュヴァル・ブラン、イケム、コルギンと並ぶ4つの「ヴァン・ディクセプション」の1つと見なされている。コルトン・シャルルマーニュ、コルトン・ブレッサンド、リュショット・シャンベルタンの一部も購入しているという。毎年、新たな挑戦をするジャックの次の一手が楽しみだ。


 輸入元はエノテカ。

クロ・デ・ランブレイは区画別に醸造する
エレベーターで果汁を移動させる

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