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シャンパーニュ・メゾンのビルカール・サルモンで、低温発酵やヴィンテージ・ロゼ「エリザベス・サルモン」を開発した5代目当主ジャン・ローラン・ビルカールが102歳で亡くなった。
ジャン・ローランは1923年生まれ。1818年創業のビルカール・サルモンの一族で、1940年に17歳でメゾンに入った。3年間のセラーの見習いで、瓶詰め、ドザージュ、デゴルジュマンまであらゆる作業をこなした。
醸造学に情熱を傾けた。ビールの世界に着想を得て、1950年代に発酵温度が13度を超えないステンレスタンクによる長時間の低温発酵を考案した。メゾンのラインアップはオーク樽熟成のものも含めて、この手法を引き継ぎ、シャンパーニュに繊細なアロマを与えている。
また、メゾン初のプレスティージュキュヴェ「ニコラ・フランソワ」も考案した。ピノ・ノワール60%とシャルドネ40%のブレンドで、1964ヴィンテージのブドウから造り、1968年に初めてリリースした。
シャンパーニュ・ロゼが軽視されていた時代に、赤ワインのリザーブワインを用いて、淡い色調でフレッシュ感と赤い果実の香りを持つロゼを造った。1970年代にロゼ・シャンパーニュのトレンドを復活させ、1988年にはヴィンテージ「エリザベス・サルモン」をリリースし、ロゼ・シャンパーニュのメゾンという評価を築いた。
ジャン・ローランは1990年代初頭、アントワーヌ・ローラン・ビルカールとフランソワ・ローラン・ビルカールに経営権を譲った。フランソワは2018年まで会長を務た後、7代目のマチュー・ローラン・ビルカールがメゾンを率いている。
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