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米国のワイン・スペクテーター誌の編集長を長年務め、ナパ支局長も務めたジェームズ・ロビーが、短い闘病の末に亡くなった。73歳だった。
ロビーはライター兼テイスターとして40年近くにわたり、カリフォルニアのワイン産業の形成に貢献し、ワイン愛好家を教育して、ワイン・スペクテイター誌を世界有数のワイン雑誌に育てた。
ワインスペクテーターの編集者兼発行人を務めるマーヴィン・R・シャンケンは「カリフォルニアワインはジェームズ・ロビーなしでは今のようなワインにはならなかったでしょう」と語り、「私は彼を若い時に雇いましたが、カリフォルニアワインの知識と理解に関しては、彼はすでに他の人より何年も先を行っていました。30年以上、私たちは一緒に働き、一緒に世界を旅しました。特にカリフォルニアのカベルネに対する彼の影響は計り知れません」と悼んだ。
ロビーはカリフォルニア州アナハイムで育ち、サンディエゴ州立大学で歴史を専攻した。1980年にワイン・スペクテーター誌でフリーランスの執筆を始め、1983 年にフルタイムのスタッフに加わった。2019年に引退し、ナパにとどまっていた。
ワイン・ジャーナリストのW・ブレイク・グレイはワイン・サーチャーで、ロビーは数十年にわたり、カリフォルニアワイン評論家として、ロバート・パーカーとともに最も影響力のある評論家だったと評価し、ワイナリーが造るワインのスタイルを変えたと指摘した。
弁護士だったパーカーとは異なり、ロビーはナパの地元紙の記者として働き、ジャーナリストの経歴を持っていた。
パーカーが徐々に否定的なレビューを掲載しなくなったのに対し、ロビーはワイナリーに批判的なレビューを時々掲載したという。2004年には、シャトー・モンテレーナのワインがTCAによって汚染されていると書いた。これによって、シャトーは徹底的な洗浄を行った。
また、2000年にワイン・スペクテーター誌に「カルトワイン」の記事を執筆して、カルトワインの特質を定義した。

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