世界の最新ワインニュースと試飲レポート

MENU

  1. トップ
  2. 記事一覧
  3. シャトー・シュヴァル・ブランがパッケージを革新、羊毛靴下で包んで軽量木箱に詰める

シャトー・シュヴァル・ブランがパッケージを革新、羊毛靴下で包んで軽量木箱に詰める

  • FREE

 アグロエコロジーに力を入れて持続可能な取り組みでトップを走るシャトー・シュヴァル・ブランが、羊毛素材で包んだボトルを軽量化した木箱で出荷する。ボルドーの長年の慣習を見直す画期的なパッケージだ。


 ボルドーワインはこれまで、ティッシュペーパーで包んだボトルをガリシア産の松から造る木箱に入れて出荷するのが一般的だった。持続可能性を重視するシャトーは、羊毛と木材産業の活性化と廃棄物の削減をする新しいパッケージを開発すべく、1年がかりで取り組んできた。


 Vitisphereによると、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏に属するロット=エ=ガロンヌ県に本拠を置く農園で伐採された海岸の松を使用して、箱を軽量化した。廃棄物の量も減らせる。現地調達を重視し、木材の輸送で発生する二酸化炭素発生量を削減する狙いもある。


 羊毛はフランス南西部のベアルン地方とバスク地方から調達して、ボトルを包む靴下のような形状に仕上げる。フランスで刈り取られた羊毛のうち国内で加工されるのはわずか4%で、南西部だけでも毎年1200トンが廃棄、焼却、埋め立てられているという。


 シュヴァル・ブランのボトルを保護するための羊毛は産業の再生につながり、断熱性とクッション性も備えている。ブラインド・テイスティングに使える利点もある。


 シャトーのワインの品質を向上させ続けているピエール・オリヴィエ・クルーエは、畑仕事でも環境への影響を軽減し、持続可能性を重視している。パッケージングでも資材の使用を最適化し、廃れた産業の活性化を狙っている。


 今年の冬にかけて市場に出る2022年のル・プティ・シュヴァルとシュヴァル・ブランから、新たなケースと靴下に入ったボトルが入手できる。


 同じLVMH傘下のシャンパーニュのルイナールは軽量でリサイクル可能なパッケージ「セカンドスキン」を採用している。


 

醸造家としても支配人としても卓越したピエール・オリヴィエ・クルーエ

購読申込のご案内はこちら

会員登録(有料)されると会員様だけの記事が購読ができます。
世界の旬なワイン情報が集まっているので情報収集の時間も短縮できます!

Enjoy Wine Report!! 詳しくはこちら

TOP