クロ・ド・タール1945が2本、約884万円で落札

　クロ・ド・タール1945年のボトル2本が、ロンドンのクリスティーズの開いたオークションで、予想価格の2000-3000ポンドを大きく上回る4万3750ポンド（約884万円）で落札された。

　ワインはオーストラリアやカリフォルニアのワインを英国に紹介したワイン商のジョン・エイブリーMWと、醸造所を経営していた父のロナルドが所有していた家族セラーから出品された。

　クリスティーズが6月7日に開いたエイブリー・コレクションのオークションで、この2本のロットは目玉だった。

　クリスティーズのワイン＆スピリッツ部門の責任者ノア・メイは「この素晴らしいグラン・クリュ・モノポールの歴史的なヴィンテージが市場に出回ることはめったにありません。伝説的な1945ヴィンテージで、このような由来のものを見たとき、熱狂的な入札を期待した」とコメントした。

　クロ・ド・タールは1141年から続くモノポールで、900年近く分割されていない。モメサン家が1932年にマレ・モンジュ家から購入した。フランソワ・ピノーのアルテミス・ドメーヌが2017年に買収した。

　1945年のブルゴーニュは3月と4月に霜害に見舞われ、6月はサイクロンが襲った。夏は乾燥して暑かった。戦争で労働力不足だったにもかかわらず、「自然の剪定」によって凝縮した赤ワインが誕生した伝説的なヴィンテージ。