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オーストラリアを代表する評論家ジェームス・ハリデーが、ワインの執筆とテイスティングの仕事から撤退することを「ハリデー・ワイン・コンパニオン」で発表した。
85歳になったので、昨年末、仕事の約束を真剣に減らすことを決めたという。
「自分がやりたいことに完全に集中したいと思った。それは私が参加したり、主催したりした50年間にわたる素晴らしいワインディナーについて書く」と発表した。
「この作品には期限もスペースの制約もなく、私の『白鳥の歌』として過去5年間、私の心と心の中でくすぶっていた。最近健康上の問題を抱えているため、この問題にだけ注意を向けてほしいとさらに願うようになった」という。
ハリデーは4月6日、ウィークエンド・オーストラリアン紙に最後のコラムを執筆し、ニック・ライアンに席を引き継いだ。
時代を画した評論家が半生をまとめたいという気持ちは理解できる。記事では書けなかったエピソードが埋もれているはずで、それに光が当たらないのは惜しい。読んでみたい読者は多いだろう。
ワインの帝王ロバート・パーカーが引退したのは2019年。71歳だった。ワイン評論の型を独力で築き、ワイン産業に大きな足跡を残す彼の回想録もぜひ読んでみたい。エリン・マッコイがまとめた評伝もあるが、物書きが自ら記憶を掘り起こす自伝にまさるものはない。ワインのプロや愛好家には、ゴーストライターがまとめる米国大統領の回想録よりはるかに面白いだろう。
出版社のオファーは山ほどあるはずだが、パーカーの謙虚な性格からして、固辞しているのかもしれない。パーカーは「ワインに語らせる」スタイルを貫いてきたライターでもあるから。
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