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バローロ・ボーイズの1人、エンリコ・スカヴィーノが手術による合併症のため亡くなった。82歳だった。
エンリコは祖父ロレンツォが1921年にカスティリオーネ・ファレット村に設立した名門パオロ・スカヴィーノで、10歳から働き始めた。父と共に1978年、カスティリオーネ・ファレットから、最初の単一畑のバローロ・ブリック・デル・フィアスクを生産した。
1993年、ロータリー・ファメンター(回転式発酵槽)を導入し、ネッビオーロの色と厳格なタンニンを短期間で抽出し、なめらかで早くから楽しめるモダン・バローロを生産した。
バリック熟成でも知られたが、研究を続けて、ボッテと呼ばれる大樽での長期熟成に移行した。ローターリー・ファーメンターも使わなくなった。発酵も後年は伝統的なティーナ(木製発酵槽)に回帰するなど、柔軟な発想で一歩先を行っていた。
エリオ・アルターレ、ドメニコ・クレリコと共にバローロ・ボーイズの中で注目される存在となり、後進の造り手たちに大きな影響を与えた。
30haまで畑を拡大し、20以上のバローロ・クリュを生産している。2023年1月に亡くなったエンリコの友人ルチアーノ・サンドローネに続いて、バローロは偉大な造り手を失った。4代目となる娘のエンリカとエリサがワイナリーを引き継いでいる。
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