- FREE
ボージョレ、コート・ドール、ボルドー、シャンパーニュにドメーヌを所有する唯一の生産者エドゥアール・ラブリュイエール氏が、旗艦ドメーヌ・ジャック・プリウールの2012年ヴィンテージのプロモーションで来日し、2008年に指揮をとり始めてからのワイン造りの変化について語った。
ラブリュイエール氏は、ジャック・プリウールのほかに、ムーラン・ナヴァンのドメーヌ・ラブリュイエール、ポムロールのシャトー・ルージェに加えて、シャンパーニュでもプロジェクトを進めている。プリウールでは、白ワインの発酵を大型の樽に変え、赤ワインの全房発酵比率を増やし、ビオディナミへの転換を進めている。1990年からワインメーカーを務めるナディーヌ・ギュブラン時代より、エレガントな造りに変わった。
2012を例に説明した。
「2012は太陽の年だ。早めに収穫して、酸とミネラルを保つようにした。2008年から新樽比率は減らしていて、プルミエクリュで20%、グランクリュで40~50%。白ワインのバトナージュは止め、清澄もろ過も止めた。赤は年によるが最大50%まで全房発酵を導入し、フィネスとデリカシーを加える。2009年から始めたビオディナミの宗教的な側面は正直、好きでないが、ワインは正確さが増した。将来の世代のことも考えて進めている」
赤6、白3のグランクリュ、赤白各8のプルミエクリュの畑を有する。ネゴシアンはどこもボーヌに基盤となる畑を持つが、ここは「ボーヌ プルミエクリュ・シャン・ピモン」がそれに当たる。赤と白の両方を造る。2012のルージュは下部の粘土の多い斜面から。表土は薄いが、下層に鉄を含む粘土が広がる。低温浸漬、アルコール発酵、その後の醸しを含めて18日間。ブルーベリー、ラズベリー、メントールの香り、重さのないヴォリューム感。2012の白は標高415メートルのボーヌ・プルミエクリュで最も高い急傾斜の畑から。表面40センチは石だけで栄養に乏しい。すがすがしい酸とミネラル感、レモン、アプリコット。2012らしい果実の充実感がある。
生産量が少ないが、ここでは広域ワイン「ブルゴーニュ シャルドネ」を造っている。ムルソーにあるドメーヌ裏庭の2区画の若樹から。豊かさと長さがあり、チャーミング。「ブラインドではムルソーと間違えるテイスターが多い。プルミエクリュのよい入門編」と。ヴァリューだ。「ムルソー クロ・ド・マズレー」はモノポール。格付けの際にプルミエクリュに申請しなかったが、ポテンシャルは村名を超える。4メートルの壁に囲まれているので、ビオディナミの実験はここで始めたという。フードルで醸造し、フレッシュ感を保っている。正確で、カキの殻、塩っぽいミネラル感。
「ピリュニー・モンラッシェ プルミエクリュ・レ・コンベット」は、ドメーヌで最初に摘む畑。フレッシュだが、小石をなめるようなミネラル感はムルソー・ペリエールに近い。中心にプラム、メロンのように熟した果実があり、ボディは大柄。コンベットは村の境界をはさんで、ペリエールと隣り合う。「ムルソーから生まれるピュリニー」というわけがわかる。新樽20%。
「よく熟すので酸を保つため早く摘む。2008は17.5%まで糖度が上がった。バトナージュを止めて、2015からはフードル醸造に切り替える。ピュリニーのプルミエクリュは、クラヴォワヨンやフォラティエールが注目されがちなのは、ルフレーヴが所有するから。私やソゼ、ラフォンはコンベットの力強さを高く評価する。村の間にある森が夏の間は風をさえぎり、40度にもなる」
シャンパーニュで注目されているのが、ラブリュイエール氏のプロジェクトだ。2011年にヴェルズネイ6ヘクタール、ヴェルジー1ヘクタールの計7ヘクタールの畑を購入。レコルタン・マニピュランとして、2016年に発売すべく熟成している。熟成中のプロトタイプを飲んだが、ヴェルズネイの北向き斜面からくつエレガンスとチョーキーな性格がよく表れていて、可能性を感じた。樹齢は45年以上。ピノ・ノワール85%、シャルドネ15%。区画別に24ヘクトリットルの小樽で発酵・熟成する。
「クリマを表示したシャンパーニュを、ドメーヌ・ラブリュイエールの名前で出そうとしているが、シャンパーニュ委員会と折り合いが悪い。ブルゴーニュ的な発想が気に入らないようだ。ドメーヌ・ラブリュイエールはボージョレにあるからだめという。当たり前だ。私のドメーヌだからね。広いグランクリュの畑を購入したため、シャンパーニュの友人をなくしたよ(笑)。重要なのはボトルの中身だ。ヴェルズネイから造るのは、優れたレコルタンがいないからだ。90%のブドウがメゾンに売られている。テロワールのシャンパーニュを造って、ヴェルズネイのトップに立つ」
2015年11月28日 ジェロボームで
ドメーヌ・ジャック・プリウール ブルゴーニュ・シャルドネ 2012
87点
希望小売価格:4800円
ドメーヌ・ジャック・プリウール ボーヌ プルミエクリュ・シャン・ピモン・ブラン 2012
89点
希望小売価格:9000円
ドメーヌ・ジャック・プリウール ボーヌ プルミエクリュ・シャン・ピモン・ルージュ 2012
90点
希望小売価格:9000円
ドメーヌ・ジャック・プリウール ムルソー クロ・ド・マズレー 2012
91点
希望小売価格:1万円
ドメーヌ・ジャック・プリウール ピリュニー・モンラッシェ プルミエクリュ・レ・コンベット 2012
92点
希望小売価格:1万7500円
輸入元:ジェロボーム
ラブリュイエール氏は、ジャック・プリウールのほかに、ムーラン・ナヴァンのドメーヌ・ラブリュイエール、ポムロールのシャトー・ルージェに加えて、シャンパーニュでもプロジェクトを進めている。プリウールでは、白ワインの発酵を大型の樽に変え、赤ワインの全房発酵比率を増やし、ビオディナミへの転換を進めている。1990年からワインメーカーを務めるナディーヌ・ギュブラン時代より、エレガントな造りに変わった。
2012を例に説明した。
「2012は太陽の年だ。早めに収穫して、酸とミネラルを保つようにした。2008年から新樽比率は減らしていて、プルミエクリュで20%、グランクリュで40~50%。白ワインのバトナージュは止め、清澄もろ過も止めた。赤は年によるが最大50%まで全房発酵を導入し、フィネスとデリカシーを加える。2009年から始めたビオディナミの宗教的な側面は正直、好きでないが、ワインは正確さが増した。将来の世代のことも考えて進めている」
赤6、白3のグランクリュ、赤白各8のプルミエクリュの畑を有する。ネゴシアンはどこもボーヌに基盤となる畑を持つが、ここは「ボーヌ プルミエクリュ・シャン・ピモン」がそれに当たる。赤と白の両方を造る。2012のルージュは下部の粘土の多い斜面から。表土は薄いが、下層に鉄を含む粘土が広がる。低温浸漬、アルコール発酵、その後の醸しを含めて18日間。ブルーベリー、ラズベリー、メントールの香り、重さのないヴォリューム感。2012の白は標高415メートルのボーヌ・プルミエクリュで最も高い急傾斜の畑から。表面40センチは石だけで栄養に乏しい。すがすがしい酸とミネラル感、レモン、アプリコット。2012らしい果実の充実感がある。
生産量が少ないが、ここでは広域ワイン「ブルゴーニュ シャルドネ」を造っている。ムルソーにあるドメーヌ裏庭の2区画の若樹から。豊かさと長さがあり、チャーミング。「ブラインドではムルソーと間違えるテイスターが多い。プルミエクリュのよい入門編」と。ヴァリューだ。「ムルソー クロ・ド・マズレー」はモノポール。格付けの際にプルミエクリュに申請しなかったが、ポテンシャルは村名を超える。4メートルの壁に囲まれているので、ビオディナミの実験はここで始めたという。フードルで醸造し、フレッシュ感を保っている。正確で、カキの殻、塩っぽいミネラル感。
「ピリュニー・モンラッシェ プルミエクリュ・レ・コンベット」は、ドメーヌで最初に摘む畑。フレッシュだが、小石をなめるようなミネラル感はムルソー・ペリエールに近い。中心にプラム、メロンのように熟した果実があり、ボディは大柄。コンベットは村の境界をはさんで、ペリエールと隣り合う。「ムルソーから生まれるピュリニー」というわけがわかる。新樽20%。
「よく熟すので酸を保つため早く摘む。2008は17.5%まで糖度が上がった。バトナージュを止めて、2015からはフードル醸造に切り替える。ピュリニーのプルミエクリュは、クラヴォワヨンやフォラティエールが注目されがちなのは、ルフレーヴが所有するから。私やソゼ、ラフォンはコンベットの力強さを高く評価する。村の間にある森が夏の間は風をさえぎり、40度にもなる」
シャンパーニュで注目されているのが、ラブリュイエール氏のプロジェクトだ。2011年にヴェルズネイ6ヘクタール、ヴェルジー1ヘクタールの計7ヘクタールの畑を購入。レコルタン・マニピュランとして、2016年に発売すべく熟成している。熟成中のプロトタイプを飲んだが、ヴェルズネイの北向き斜面からくつエレガンスとチョーキーな性格がよく表れていて、可能性を感じた。樹齢は45年以上。ピノ・ノワール85%、シャルドネ15%。区画別に24ヘクトリットルの小樽で発酵・熟成する。
「クリマを表示したシャンパーニュを、ドメーヌ・ラブリュイエールの名前で出そうとしているが、シャンパーニュ委員会と折り合いが悪い。ブルゴーニュ的な発想が気に入らないようだ。ドメーヌ・ラブリュイエールはボージョレにあるからだめという。当たり前だ。私のドメーヌだからね。広いグランクリュの畑を購入したため、シャンパーニュの友人をなくしたよ(笑)。重要なのはボトルの中身だ。ヴェルズネイから造るのは、優れたレコルタンがいないからだ。90%のブドウがメゾンに売られている。テロワールのシャンパーニュを造って、ヴェルズネイのトップに立つ」
2015年11月28日 ジェロボームで
ドメーヌ・ジャック・プリウール ブルゴーニュ・シャルドネ 2012
87点
希望小売価格:4800円
ドメーヌ・ジャック・プリウール ボーヌ プルミエクリュ・シャン・ピモン・ブラン 2012
89点
希望小売価格:9000円
ドメーヌ・ジャック・プリウール ボーヌ プルミエクリュ・シャン・ピモン・ルージュ 2012
90点
希望小売価格:9000円
ドメーヌ・ジャック・プリウール ムルソー クロ・ド・マズレー 2012
91点
希望小売価格:1万円
ドメーヌ・ジャック・プリウール ピリュニー・モンラッシェ プルミエクリュ・レ・コンベット 2012
92点
希望小売価格:1万7500円
輸入元:ジェロボーム
購読申込のご案内はこちら
会員登録(有料)されると会員様だけの記事が購読ができます。
世界の旬なワイン情報が集まっているので情報収集の時間も短縮できます!