シノンの醸造家、二酸化炭素による窒息死

　フランス・ロワールのシノンで、醸造中のタンクに落ちた従業員を救おうとした醸造家が酸欠で亡くなる事故が起きた。

　　ニュースラジオ局フランス・ブルーの報道によると、事故が起きたのは3日から4日にかけて。シノン近郊のクラヴァン・レ・コトーにあるドメーヌ・デ・ブーケリー（Domaine des Bouquerries）の当主ジェローム・スールデー（Jerome Sourdais）が亡くなった。

　スールデーはタンクに落ちた従業員を救おうとタンクに入り、二酸化炭素ガスによる酸欠で意識を失って、窒息死したと見られている。2人は意識不明の状態で見つかり、病院に搬送された。従業員は重体だが容態は安定しているという。

　スールデーは32haの家族ドメーヌの当主。1月に行われる祭典サン・ヴァンサンの組織委員長を務めていた。事故の後は、コミューンの生産者がワイン造りに手を貸しているという。

　彼の死により、村全体とシノンのワイン生産コミュニティが打ちのめされた。クラヴァン・レ・コトーの市長は「村は言葉では言い表せないほど悲しい」とコメントした。

　アルコール発酵中に砂糖はアルコールに変化し、二酸化炭素を放出し、酸素不足で亡くなる事故は毎年、起きている。