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シャンパーニュのコート・デ・ブラン地区ヴェルテュに本拠を置くシャルドネに強いメゾン、デュヴァル・ルロワの醸造責任者サンドリーヌ・ロジェット・ジャルダンさんが来日し、単一畑「クロ・デ・ブーヴリー」の垂直試飲を軸にした試飲会を開いた。
デュヴァル・ルロワはルロワ家とデュヴァル家が共同で1859年に設立。200ヘクタールの自社畑を所有し、うち40%はプルミエクリュ。コート・デ・ブラン地区最大のプルミエクリュの所有者でもある。比率は40%シャルドネ、35%ピノ・ノワール、25%ピノ・ムニエ。生産量は450万本前後。1991年に未亡人となったオーナーのキャロル・デュヴァル・ルロワさんが、サンドリーヌさんを雇った。1995年からリュット・レゾネを進める。
クロ・デ・ブーヴリーはヴェルテュ村にある3.5ヘクタールの石垣に囲まれた畑。クロの名で商品化しているシャンパーニュは約20しかない。東向きで傾斜は11%。平均樹齢は50年。2002年ヴィンテージに初めて仕込んだ。「シャンパーニュの平均的な区画の面積は0.18ヘクタール。まとまった広さのクロは珍しい。かつては、フルール・ド・シャンパーニュに混ぜていた。区画別に醸造する中で、畑の個性が際立っていた。樹齢が高く、収量が低いので、高い凝縮度が得られる」と語る。
2008、2005、2003、2002の4ヴィンテージを試飲した。いずれも2016年1月1日にデゴルジュマンして、ドザージュしていないボトル。
発売前で瓶内熟成中の2008は、緑がかった淡い黄色。レモンの皮、白い花、フェンネル。非常にフレッシュな酸味があるが、テクスチュアは柔らかく、余韻は中程度でタイトさが残る。酸の年である2008をよく表現している。2005は熟度と酸度のバランスがとれている。黄桃、アプリコットの香り、余韻にレモンの清涼感。生き生きしていて、正確だが、質感はなめらか。ドザージュはリットル当たり4.5グラム。
「シャンパーニュは大陸性気候と海洋性気候の影響を受けるが、2008は海洋性気候の影響が強く、酸がしっかりとある。2005は日照時間が長く、収穫時の潜在アルコール度が10%を超えて、通常より高い。酸は穏やか」とサンドリーヌ。
2003は黄金が強く、熟度の高さが明確。ドライ・マンゴ、ブラウンバター、ハチミツ、リッチなボディと凝縮した果実があり、酸は低い。余韻はスモーキーで、ややスパイシー。よく熟成したシャンパーニュを飲みたいならいい。2002は若々しさを残す黄色が強く、カリン、パンデピス、シナモン、線は細いが、果実は詰まっている。塩っぽいミネラル感に支えられている。バランスのいい2002の良さが出ている。フィニッシュのキレがよく、最後まで長くエレガンスを保っている。
「2003の収量は、通常はヘクタール当たり1トンのところが、6000キロと少なく、凝縮している。粘性が高い。2002は大陸性気候の影響が強く、暑くて乾燥した。シャルドネの良さが出ている。最初で力が入ったが、今思うとドザージュはなくてもよかった」
4.5グラムのドザージュを加えた2005の通常商品も試飲した。デゴルジュマンは2011年後半。グレープフルーツのコンフィ、レモンドロップ、強い酸がまろやかに包まれ、スレート的なミネラル感とほろ苦みがある。
フラッグシップのファム・ド・シャンパーニュも2000と1996を試飲した。2000はシャルドネ95%とピノ・ノワール5%のブレンド。シュイィ、アヴィーズ、オジェ、メニル・シュール・オジェの4村のシャルドネに、アイのピノ・ノワールが基本。ブジー、アンボネイも年によって使う。シャルドネはステンレスタンクで醸造し、ピノ・ノワールは少量を樽で発酵する。
2000はフローラルで、白桃、ブリオッシュ、ヘーゼルナッツ、アタックは柔らかく、質感はまろやか。クリーミィで、余韻はほのかにチョーキー。2000らしいおおらかな味わい。1996は対照的に、緊張感あふれるフレッシュなヴィンテージ。ルバーブのジャム、ほろにがいクレーム・ブリュレ、快活な酸は元気があり、長い余韻は一貫したチョーキーなタッチに包まれている。
2016年2月9日 東京・四谷のホテル・ニューオータニで
デュヴァル・ルロワ シャンパーニュ クロ・デ・ブーヴリー 2005
89点
希望小売価格: 1万5600円
デュヴァル・ルロワ シャンパーニュ ファム・ド・シャンパーニュ 2000
93点
希望小売価格: 2万3000円
デュヴァル・ルロワ シャンパーニュ ファム・ド・シャンパーニュ 1996
91点
輸入元:ヴィレッジ・セラーズ
デュヴァル・ルロワはルロワ家とデュヴァル家が共同で1859年に設立。200ヘクタールの自社畑を所有し、うち40%はプルミエクリュ。コート・デ・ブラン地区最大のプルミエクリュの所有者でもある。比率は40%シャルドネ、35%ピノ・ノワール、25%ピノ・ムニエ。生産量は450万本前後。1991年に未亡人となったオーナーのキャロル・デュヴァル・ルロワさんが、サンドリーヌさんを雇った。1995年からリュット・レゾネを進める。
クロ・デ・ブーヴリーはヴェルテュ村にある3.5ヘクタールの石垣に囲まれた畑。クロの名で商品化しているシャンパーニュは約20しかない。東向きで傾斜は11%。平均樹齢は50年。2002年ヴィンテージに初めて仕込んだ。「シャンパーニュの平均的な区画の面積は0.18ヘクタール。まとまった広さのクロは珍しい。かつては、フルール・ド・シャンパーニュに混ぜていた。区画別に醸造する中で、畑の個性が際立っていた。樹齢が高く、収量が低いので、高い凝縮度が得られる」と語る。
2008、2005、2003、2002の4ヴィンテージを試飲した。いずれも2016年1月1日にデゴルジュマンして、ドザージュしていないボトル。
発売前で瓶内熟成中の2008は、緑がかった淡い黄色。レモンの皮、白い花、フェンネル。非常にフレッシュな酸味があるが、テクスチュアは柔らかく、余韻は中程度でタイトさが残る。酸の年である2008をよく表現している。2005は熟度と酸度のバランスがとれている。黄桃、アプリコットの香り、余韻にレモンの清涼感。生き生きしていて、正確だが、質感はなめらか。ドザージュはリットル当たり4.5グラム。
「シャンパーニュは大陸性気候と海洋性気候の影響を受けるが、2008は海洋性気候の影響が強く、酸がしっかりとある。2005は日照時間が長く、収穫時の潜在アルコール度が10%を超えて、通常より高い。酸は穏やか」とサンドリーヌ。
2003は黄金が強く、熟度の高さが明確。ドライ・マンゴ、ブラウンバター、ハチミツ、リッチなボディと凝縮した果実があり、酸は低い。余韻はスモーキーで、ややスパイシー。よく熟成したシャンパーニュを飲みたいならいい。2002は若々しさを残す黄色が強く、カリン、パンデピス、シナモン、線は細いが、果実は詰まっている。塩っぽいミネラル感に支えられている。バランスのいい2002の良さが出ている。フィニッシュのキレがよく、最後まで長くエレガンスを保っている。
「2003の収量は、通常はヘクタール当たり1トンのところが、6000キロと少なく、凝縮している。粘性が高い。2002は大陸性気候の影響が強く、暑くて乾燥した。シャルドネの良さが出ている。最初で力が入ったが、今思うとドザージュはなくてもよかった」
4.5グラムのドザージュを加えた2005の通常商品も試飲した。デゴルジュマンは2011年後半。グレープフルーツのコンフィ、レモンドロップ、強い酸がまろやかに包まれ、スレート的なミネラル感とほろ苦みがある。
フラッグシップのファム・ド・シャンパーニュも2000と1996を試飲した。2000はシャルドネ95%とピノ・ノワール5%のブレンド。シュイィ、アヴィーズ、オジェ、メニル・シュール・オジェの4村のシャルドネに、アイのピノ・ノワールが基本。ブジー、アンボネイも年によって使う。シャルドネはステンレスタンクで醸造し、ピノ・ノワールは少量を樽で発酵する。
2000はフローラルで、白桃、ブリオッシュ、ヘーゼルナッツ、アタックは柔らかく、質感はまろやか。クリーミィで、余韻はほのかにチョーキー。2000らしいおおらかな味わい。1996は対照的に、緊張感あふれるフレッシュなヴィンテージ。ルバーブのジャム、ほろにがいクレーム・ブリュレ、快活な酸は元気があり、長い余韻は一貫したチョーキーなタッチに包まれている。
2016年2月9日 東京・四谷のホテル・ニューオータニで
デュヴァル・ルロワ シャンパーニュ クロ・デ・ブーヴリー 2005
89点
希望小売価格: 1万5600円
デュヴァル・ルロワ シャンパーニュ ファム・ド・シャンパーニュ 2000
93点
希望小売価格: 2万3000円
デュヴァル・ルロワ シャンパーニュ ファム・ド・シャンパーニュ 1996
91点
輸入元:ヴィレッジ・セラーズ
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