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熟成で開花したリシュブール2005、モンジャール・ミュニュレ

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 ヴォーヌ・ロマネ村で最大級の約30ヘクタールの畑を所有するドメーヌ・モンジャール・ミュニュレの当主ヴァンサン・モンジャールと娘婿アレクサンドル・カルミナティが来日した。リシュブール、グラン・エシェゾー、エシェゾー、クロ・ド・ヴージョという4つのグランクリュを有し、村の入り口のホテル「ル・リシュブール」も経営する。10年以上ぶりに、ここのドメーヌのワインと向き合った。


 ヴォーヌ・ロマネのプルミエクリュの中でも、オルヴォーは知名度が低かった。モンジヤール・ミュニュレから1985年に買収したシルヴァン・カティアールで有名になった。エシェゾーのクリマ、オルヴォーの延長にある上部斜面1.79ヘクタールがプルミエクリュとなっている。北には、シャンボル・ミュジニーのラ・コンブ・ドルヴォーがある。やや標高の高い畑は西の山あいの谷間から涼しい風が吹き抜ける。モンジャールの「ヴォーヌ・ロマネ プルミエクリュ レ・ゾルヴォー 2010」は、緊張感と冷涼感がある。全房発酵からくるオレンジの皮、湿った土、なめし革の香り、細身だが芯がある。ヴォーヌ・ロマネ村斜面上部のフィネスとエレガンスが凝縮されている。2010は太陽の年2009の陰に隠れているが、飲みごろに入ってきた。全房発酵比率50%。
 「クロ・ド・ヴージョ 2009」は、ジャン・マルク・ミヨとダニエル・リオンに挟まれた斜面上部の良好な区画から。ヴァンサンの祖父ユージーンが1920年代に購入し、1950、60年代の古木が植えられている。2009の力強さが出ており、しっかりした構造と深みに支えられている。カカオ、腐葉土、タバコの香りに、全房発酵の茎っぽさが複雑なタッチを与え、うまみあふれる余韻が後を引く。ドメーヌの歴史の長さを実感した。
 英米の評論家は近年、モンジャールを評価することは少ないが、熟成で真価を発揮することを改めて教えてくれたのが「リシュブール 2005」。ルロワとジャン・グリヴォに挟まれ、道を隔てた下部斜面にはDRCという最高の立地。1984年に取得した0.31ヘクタール。男性的で、筋肉質。五粉香、コーヒー、あぶった肉、タンニンはシルキーで、果実はジューシー。凝縮していて、スケールが大きい。100%全房発酵。セクシーで、グラマラス。さらに成長するだろう。


 ヴァンサンは「茎が最高の状態にある年は、茎の中にあるタンニンを抽出することで、ワインが豊かになる。毎年、区画ごとに収穫して、どの区画を全房で仕込むかを決める。2005年はいい年だったので、100%全房発酵した」と語った。

2016年3月15日 東京・丸の内で

ドメーヌ・モンジャール・ミュニュレ ヴォーヌ・ロマネ プルミエクリュ レ・ゾルヴォー 2010
88点
ドメーヌ・モンジャール・ミュニュレ クロ・ド・ヴージョ 2009
91点
ドメーヌ・モンジャール・ミュニュレ リシュブール  2005
93点
輸入元:ラック・コーポレーション、エイ・エム・ズィー

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