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史上最高のシャンパーニュ売上高、プレスティージュとロゼ好きの日本人が貢献

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 2015年のシャンパーニュは、世界全体で史上最高の売上高を記録したが、これには高額なプレスティージュ・シャンパーニュとロゼの好きの日本市場が、大きく貢献していることが改めてわかった。
 来日したシャンパーニュ委員会のティボー・ル・マイヨ広報部長によると、2015年の出荷額は47億3600万ユーロで、リーマンショック前年の2007年の45億5900万ユーロを上回り、史上最高を記録した。これに対して、出荷量は3億1250万本で前年比1.7%増にとどまり、過去最高の2007年の3億3900万本に届いていない。つまり、販売量は横ばいなのに、1本当たりの単価が高くなっている。

 シャンパーニュはリーマンショックのスランプから回復したが、出荷額の伸びを支えているのはEU以外の輸出市場だ。フランス人はシャンパーニュの2本に1本を消費するが、出荷金額を見ると、フランス国内が46%なのに対し、輸出市場が56%で上回る。そのけん引役が、輸出の上位10か国の中で2番目の輸出市場の米国と4番目の日本。日本は前年比13.1%増で過去最高の1180万本を輸入した。金額では2億4540万ユーロで、14.8%も増加した。日本の金額の伸びは、高額なロゼとプレスティージュ・キュヴェに支えられている。
 2015年のシャンパーニュの種類別比率を量でみると、日本はノンヴィンテージ(NV)が67.1%で、ロゼが13%、プレスティージュ・キュヴェが11%となっている。金額別にみると、ノンヴィンテージ(NV)が49.6%で、ロゼが12.6%、プレスティージュ・キュヴェが28.6%となる。シャンパーニュの世界的な量の比率は、NVが81%、ロゼが9.4%、プレスティージュ・キュヴェが4.4%。日本はプレスティージュ・キュヴェの量的比率が、上位10か国で最も高く、NVが最も低い。
 日本で飲まれるシャンパーニュの10本に1本がプレスティージュで、金額的には4分の1を占める勘定になる。日本の愛好家がドン・ペリニヨン、サロン、クリスタルに代表されるプレスティージュ・キュヴェや高価なロゼを好むことがよくわかる。日本よりプレスティージュ・キュヴェの比率が高い市場は、富裕層の集中するアラブ首長国連邦だけだ。ロゼの比率は米国が最も高い。こうした傾向によって、2015年の世界市場のロゼとプレスティージュ・キュヴェは量でそれぞれ3.4%、13.5%、金額で11.6%、20.3%前年より増加した。
 また、生産者別に見ると、メゾンが160社、グローワーズ(レコルタン・マニピュラン)が304社、協同組合が21社の計485社を輸入している。本数でみると、メゾンが90%で、グローワーズが5.7%、協同組合が3.4%となっている。「日本はフランスに隣接するベルギーと並んで、選択肢が多く、数多くのシャンパーニュを楽しんでいる」とル・マイヨ広報部長。

 世界的にスパークリングワインの生産が増えている。フランスのクレマン、イタリアのフランチャコルタ、スペインのカバ、南半球に加えて、インド、中国でもモエ・エ・シャンドンが現地生産している。世界のスパークリングワインの中でのシャンパーニュの量的なシェアは減少傾向にある。
 「シャンパーニュは栽培面積を増やせないし、収穫量も制限しているので、生産量を増やせない。高額なキュヴェが売れるのは、マーケティング戦略としては理想的な状態。日本はそのお手本となる市場だ。シャンパーニュが特別な飲み物であることを強調していく」
 ただ、シャンパーニュの価格自体は上昇していて、今後も上昇傾向は続くと見られる。
 「ブドウの価格と賃金の上昇が原因。持続可能なブドウ栽培や収穫量の制限をすると、コストはかかって、ブドウの収穫量は減る。2015年のブドウのキロ当たり平均価格は5.36-6.3ユーロ。2014年の5.89ユーロより上がった。特別なクリュやビオのブドウは7ユーロを超すケースもある」
 シャンパーニュの丘陵、メゾン、セラーは2015年7月、ユネスコの世界遺産に登録された。その結果、都市部でも郊外でも観光客が増えて、新規レストラン開設や高級ホテルの建設計画がランス、ミュティニーなど各地で進んでいる。ランスは人口比率でミシュランの星の数が最も多い都市だという。

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