ワイン・オーストラリア、中国・上海の事務所を閉鎖

　オーストラリアのワイン業界団体ワイン・オーストラリアは、貿易摩擦に伴う輸出減少を受けて、中国・上海の事務所を閉鎖する。

　中国はかつてオーストラリアワインのNo.1輸出市場だった。生産量の60%が輸出される中で、その40%を中国が占めていた。

　しかし、新型コロナウイルスの真相調査をめぐって、両国間に貿易摩擦が生じた。中国政府がオーストラリアワインに高い関税を課して、オーストラリアワインの2021年の輸出は大きく落ち込み、2004年以来、最低の水準となった。

　かつて年間12億オーストラリアドル（8億3000万ドル）だった貿易額は、今年3月末には2億オーストラリアドルあまりまで縮小した。オーストラリアの輸出業者は米国や英国など他の市場に販売を振り向けたが、サプライチェーンや世界的な貨物の混乱など、パンデミック関連の問題に直面している。

　ワイン・オーストラリアは、「市場における主要な代理店やマーケティングパートナー、見本市主催者、教育ネットワークとの関係」を通じて、中国での活動を継続すると述べている。