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アンリ・グートルブ、誇りと自信のスペシャル・クラブ

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 シャンパーニュには色々な生産者団体がある。グローワー(レコルタン・マニピュラン)で造る「クラブ・トレゾール」もその1つ。この名前を知らなくても、「スペシャル・クラブ」という底の太い瓶なら、飲んだことがあるという人も多いだろう。
 1971年に設立され、29の造り手が加盟している。ブジーのポール・バラ、マレイユ・シュール・アイのマーク・エブラール、シニー・レ・ローズのJ・ラサール、メニル・シュール・オジェのペルトワ・モリゼらも含まれる。アイのアンリ・グートルブを訪ねて、そのスペシャル・クラブを試飲した。ここはアイを中心に25ヘクタールの畑を有する。


 スペシャル・クラブを飲んで、失望させられたことは少ない。審査が厳しいからだ。醸造家も含めた審査員が、二次発酵に入るティラージュ(瓶詰め)の前段階で、ベースワインをブラインド試飲する。特別な瓶に詰めるからだ。瓶内熟成が終わって発売する前にもう一度、試飲する。
 「不合格になるのは珍しくない。その時は、瓶内のシャンパーニュをタンクに戻してリザーヴワインに使うしかない。だから、どこも手を抜かずに、最良のキュヴェを詰める」と、若きエティエンヌ・グートルブが言う。団体の威信と誇りをそうして守っているのだ。


 「スペシャル・クラブ ブリュット・グランクリュ 2005」はすべてアイのブドウ。主に斜面中腹から。70%のピノ・ノワールと30%のシャルドネのブレンド。野イチゴ、アプリコット、セージ、ほのかにハチミツの香り、生き生きした酸とおおらかな果実味があり、クリーミィなテクスチャー。ドザージュはリットル当たり9.5グラム。やや多めに感じるが、アイらしい濃密さと溶け合って、豊かなコクを生んでいる。スペシャル・クラブの常として、値段もさほど高くない。
 ベーシックな「キュヴェ・トラディション ブリュット」は軽やかだが、オイリーなテクスチャーがあり、40%のリザーヴワインがリッチさを与えている。アイ、マレイユ・シュール・アイ、ビスイユに、セザンヌが少し。70%のピノ・ノワール、25%のシャルドネ、5%のムニエ。ドザージュは9グラム。
 「ロゼ ブリュット・グランクリュ」はオレンジ、バラの花びら、シナモン、しなやかで、アイらしいデリケートさがある。バランスがよくて、熱い夏のアペリティフに最適だろう。51%のピノ・ノワールと35%のシャルドネに、14%の赤ワインとしてブレンドしている。


 グートルブ家は、アイ村の奥にホテル「カステル・ジャンソン」も営んでいる。目覚めると、窓からアイの斜面が見えるしゃれたホテルだ。4世代にわたって苗木業者も営んでいる。大手メゾンから栽培農家まで、多くの生産者がここのお世話になっている。

2016年6月17日 シャンパーニュ・アイのアンリ・グートルブで

シャンパーニュ アンリ・グートルブ キュヴェ・トラディション ブリュット
89点
価格:3980円
シャンパーニュ アンリ・グートルブ ロゼ ブリュット・グランクリュ
88点
価格:4980円
シャンパーニュ アンリ・グートルブ スペシャル・クラブ ブリュット・グランクリュ 2005
90点
発売元:ウメムラ

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