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2021年のフランスのワイン・スピリッツ輸出が回復し、輸出額が過去最高を記録した。米国による関税の撤廃と、新型コロナウイルスの感染拡大からの脱却などが追い風となった。
ワイン・スピリッツ輸出業者連盟(FEVS)の発表によると、ワインとスピリッツの輸出額は前年比28%増の155億ユーロで、過去最高に達した。コロナ禍前の2019年比でも11%増だった。
フランスのワインとスピリッツの最大の輸出先である米国向け輸出額は34%増加し、41億ユーロとなった。輸出量も11%増加し、2億300万ケースとなった。2019年比でも4%増えた。2021年3月からフランス産ワインに対する米国の関税が停止されたことが、輸出を押し上げたと見られる。
また、ブレグジットをめぐる懸念も払拭された。2021年1月1日からの英国のEU完全離脱は、フランスのアルコール輸出に悪影響を及ぼさず、通年の売上は好調で、20%増の16億ユーロを記録した。
アジアでは、中国市場でフランスのワイン輸出が56%急増し、12億6000万ユーロとなった。韓国向け輸出の伸び率は60%を超え、シンガポール向け輸出も大幅に増加した。
フランスのワイン産業界全体が、世界的な消費の伸びの恩恵を被っている。シャンパーニュの輸出額は35億ユーロで過去最高。ボルドー(23億ユーロ)、ブルゴーニュ(12億7000万ユーロ)、ローヌ(5億2400万ユーロ)、プロヴァンス(3億1300万ユーロ)と続く。
ボルドーワインも過去最高 中国がトップ市場
ボルドーワイン委員会(CIVB)によると、2021年の米国向けボルドーワインの売上高は67%増の3億4900万ユーロとなり、過去最高を更新した。輸出量は24万7000hl(3300万本)で、24%増加した。関税の撤廃と、近年の優良ヴィンテージに対する需要が、米国向け出荷量の回復を支えたと見られている。
高級ボルドーに対する世界的な需要は高まっている。2021年の世界向けボルドーワイン輸出量は前年比9%増の189万hl(2億5200万本)だった。輸出額は30%増の23億ユーロにはね上がった。
ただ、CIVBの統計によると、ボルドーワインの世界最大の輸出先は依然として中国だ。中国本土、香港、マカオへの輸出は、2021年には10%増の40万2000hl(5400万本)、金額では16%増の6億1600万ユーロとなった。
日本への輸出も10%増の1億2000万ユーロとなり、アジアのバイヤーの重要さが浮き彫りになった。
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