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シャンパーニュのメゾン・クリュッグCEOを3月末に辞任するマギー(マルガレート)・エンリケスが、ラグジュアリー・クリスタル企業バカラの最高経営責任者(CEO)に就任する。
バカラは1764年、ロレーヌ地方で創業。フランス王ルイ15世、 ロシア皇帝ニコラ2世、皇太子だった昭和天皇ら、各国の王室に支持されてきた。グラス、デキャンター、アクセサリー、置物などを製造している。一時はテタンジェ家のルーヴル・グループ傘下にあったが、米国の投資会社スターウッド・キャピタルに売却され、中国の投資会社フォーチュン・ファウンテン・キャピタルが2018年に買収した。
エンリケスのCEO就任は、バカラが昨年12月17日に4月1日付けの人事として発表した。エンリケスは7年以上にわたり、バカラの取締役を務めてきた。2年間の任期を終えて退任することを決めたエルベ・マルタンの後任となる。
エンリケスは2001年にモエ・ヘネシーに入社。2009年に金融危機で業績が落ち込んでいたクリュッグのCEOに就任した。グランド・キュヴェにエディション番号やIDを導入し、3つ星シェフや音楽とのペアリングなども行い、12年間にわたり、ラグジュアリーなシャンパーニュ・メゾンとしての価値を高めた。
シーグラム、メキシコのナビスコ、アルゼンチンのボデガス・シャンドンなどで経営者として業績を上げ、ワイン・スピリッツ業界でのキャリアは30年を超す。
バカラは2019年に1億6400万ユーロ(前年比5%増)の売上高を上げたが、2020年は新型コロナウイルスの影響を受けた。リーマンショックで販売量が35%落ち込んだクリュッグを再建した経営手腕が期待される。
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