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シャトー・ラグランジュが樹齢350年を超す古木のオーク樽で熟成した「シャトー・ラグランジュ ザ・コレクション」の発売を始めた。6つのヴィンテージからなる特別な6本セット。200セットの限定発売となっている。
長期熟成させるボルドーワインにとって、樽材は重要なコンポーネントの1つ。少量の酸素を供給して、風味を向上させる。樽の香りや味わいが溶け出して複雑さと深みをもたらす。樹齢、密度、含まれる成分によって、ワインの品質を左右する。フランスワインにはセシルオークがよく使われる。ヨーロッパで最大のオークの森が広がるトロンセのオークは高品質で知られる。
今回のコレクションは、2009、2011、2012、2013、2014、2015の6ヴィンテージを、オークションで購入した異なる6つの森の樹齢350年を超すオークで熟成させた。オーヴェルニュ地方アリエ県のトロンセ(Troncais)やロワール地方のベルセ(Berce)の森などが含まれる。
シャトーには社長のマティウ・ボルド、桜井楽生(さくらいらくさ)チーフ・ストラテジー・オフィサー(CSO)、技術責任者を含む5人の醸造家資格の保持者がいる。興奮しながら今回の試みに挑戦した。
ボルド社長は「樽はワインに複雑さと調和を与える。私たちワインメーカーの役割は、樽とワインという2つの世界の間で最良のバランスを見つけること。樽材はワインとの相乗効果を発揮するためにあり、ワインの香りや味わいを覆い隠してはいけない。初めての経験だったが、何百年もの時代を生き抜いたオークが与えてくれた特別な味わいには、感慨深いものがあった」と語る。
以下はヴィンテージと樽の産地・樹齢の組み合わせ
2009vt トロンセの森のモラ(Morat) 350年
2011vt カンパーニュの森のバンゴール(Bangor) 370年
2012vt レノヴァルデュの森のアヴァディーン(Aberdeen) 360年
2013vt ベルセの森のフュテ・デ・クロ(Futaie des Clos) 353年
2014vt ベルセの森のフュテ・デ・クロⅡ(Futaie des Clos Ⅱ) 353年
2015vt トロンセの森のヴューモラ(Vieux Morat) 350年
森によって個性が異なり、トロンセのモラは2009にリコリスやブラックベリーのアロマを与え、クリーミィでスムーズな味わいをもたらした。同じトロンセでもヴューモラは2015にラズベリーやブランデーのアロマを与え、偉大なヴィンテージを引き立てたという。
ボルド社長はオークションに出される、樹齢350年を超す樹の伐採に立ち会った。「この樹を育んだ350年もの『時間』がラグランジュのワインと融合したら、どのような世界を見ることができるのだろうか、と思ったのが出発点だった」と振り返る。
今回の6本のワインが今年、飲み頃に入ったことを確認して、発売を決めた。ザ・コレクションは黒のラベルデザインにより、ネゴシアン経由で限定発売されている。
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