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2020年の米国のワイン輸出は、世界的なパンデミック、EUからの報復関税、ドル高などで、輸出量は前年比で1.1%増加したものの、輸出額は6.4%減少した。
カリフォルニアワイン協会の発表によると、カリフォルニア州からの輸出が95%を超す米国の2020年のワイン輸出量は3億7700万リットル(4190万ケース)で1.1%増。輸出総額は12億9000万ドルで、6.4%減少した。
輸出額の上位市場は、カナダが約4億6000万ドルでトップ。英国が約2億3600万ドルで続き、EU27カ国は約1億9100万ドル、4位の日本は約8000万ドルだった。
以下、香港(約6400万ドル)、韓国(約5000万ドル)、中国(約2100万ドル)メキシコ(約1700万ドル)、ノルウェー(約1500万ドル)、スイス(約1400万ドル)、シンガポール(約1300万ドル)と続く。
日本向け輸出額は13.95%減の7954万ドル、輸出量は21.40%減の1391万リットルとなった。
手島孝大・共同代表は「特にカリフォルニアのプレミアムワイン・ビジネスの普及と成長を支えてきたオン・プレミス販売で新型コロナウイルスの影響が顕著」とコメント。「主要なホスピタリティ・ビジネスのリーダーたちは強力なカムバックを予測し、2022年の売上高はパンデミック前の2019年の結果を上回ると予想している」とした。
カルトワインを含む高級ワインは、外資系ホテルのレストランなどで、米国人ビジネスマンなどに主に消費されてきた。ナイト・マーケットが支えるシャンパーニュの日本向け出荷量が28%ダウンしたのと同様に、オン・プレミス市場の落ち込みが大きなインパクトを与えたようだ。
落ち込みを小幅にとどめたほかの輸出市場は、オンライン販売に注力した。
トップ輸出市場のカナダ向け輸出量は7.42%減の8313万リットルだったが、輸出額は4億6047万ドルと8.47%増加した。カナダ支部の代表は「小売とオンライン部門に重点的にシフトして売上高が増加した」と説明している。
英国向け輸出額は2.78%減の2億3594万ドルだったが、輸出量は10.66%増の1億4283万リットル。英国市場は米国ワインの世界輸出量の38%を占めている。
EUは輸出額が5.55%減の1億9094万ドル、輸出量が1.03%減の7945万リットル。オンラインでの販売が好調だったという。
アジアでは小売りチャンネルが発達している韓国、台湾、シンガポールが成長した。中国への輸出は米国産ワインへの報復関税の影響で近年大きく減少している。
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