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新型コロナウイルスによるホスピタリティ産業の不振、旅行の停止などで、2020年の世界のワイン消費量は2.8%減少し、2002年以来、最低を記録した。世界6位の消費市場である中国が17.4%減少したのが大きな要因。日本はマイナス0.8%の350万ヘクトリットルでほぼ横ばいだった。
OIV(国際ブドウ・ワイン機構)の20日の発表によると、2020年の世界のワイン消費量は2億3400万ヘクトリットルで2.8%減。700万ヘクトリットルの減少は2008年から2009年にかけての世界経済危機以来で、2002年から最低の数字を記録した。ただ、消費行動の違いから国によって差がある。
中国のワイン消費量は1240万ヘクトリットルで、2019年より17.4%ダウンした。第1四半期のロックダウンが響いたと見られるが、3年連続で減少傾向にあり、21世紀初頭から始まった急激な成長が終わったと、OIVは見ている。
米国は3300万ヘクトリットルで2019年とほぼ同じ。厳しいロックダウンによる影響を受けたが、電子商取引の成長が支えたと見られる。パンデミックに伴う電子商取引の増加が果たした効果は大きい。
13番目の消費市場ブラジルの消費量は18.4%増加し430万ヘクトリットルで、2000年以来、最大。OIV事務局長のパウ・ロカ(Pau Roca)は「ワインを販売するための電子商取引の方法を大幅に増やした」と述べた。ブラジルは高所得の中間層が形成されている。
一方、EU27か国は世界のほぼ半分(47%)の1億1200万ヘクトリットルを消費したが、国によって状況は異なる。世界2番目の市場フランス、4番目の市場ドイツは横ばい。3番目の市場イタリアは7.5%増加した一方で、8番目の市場スペインは6.8%減少した。
ワインのタイプ別に見ると、ソーシャルなイベントで大量消費されるお祝いのお酒スパークリングワインの国際取引での落ち込みは大きかった。輸出量で5%、輸出額で15%減少した。プロセッコを生産するイタリアは数量で20%のシェアを占める最大の輸出国だが2%減少した。続くフランスは13%、スペインは5%ダウンした。
一方で、自家消費に向くバッグ・イン・ボックスは好調だった。主要輸出国はドイツ、南アフリカ、ポルトガルで、世界の輸出量の4%、輸出額の2%にすぎないが、量で12%、金額で8%増加した。
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