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宇宙空間でワインを熟成すると、進化が早まるのかもしれない。時価70万円もするペトリュス2000を、国際宇宙ステーションの軌道上で14か月間熟成したところ、宇宙ワインのタンニンは地上のワインよりタンニンが進化し、花のような香りがあったという。
愛好家には決して出来ない今回のプロジェクトは、ヨーロッパのスタートアップ「Space Cargo Unlimited」(スペース・カーゴ・アンリミテッド)が、ボルドー大学ISVV(ブドウ・ワイン科学研究所)の協力も得て行った。この企業はこれまでもブドウの苗木を宇宙に送るなどの実験を行ってきた。
スペースX社の貨物船「ドラゴン」に搭載した1ケースのペトリュス2000は今年1月、米フロリダ州ケープカナベラルに降り立った。14か月間を宇宙で過ごしたボトルはボルドーに運ばれ、12人のテイスターが地上で熟成したワインと比較試飲した。
両方とも素晴らしいワインであると評価された。英デカンター誌ボルドー駐在のジェーン・アンソンは、CNNの取材に対して「色とアロマ、味わいに違いがあった」と語り、「地上のボトルより少し進化し、フローラルな性格もあった」とコメントした。成層圏の旅がワインに年をとらせたのだろうか?
ペトリュスはブローカーから購入されたボトルで、ワイン・サーチャーによると世界的な取引価格は6000-6500ドル。安定した優良ヴィンテージだったために選ばれた。パーカー・ポイントは100点。ロバート・パーカーは50年以上熟成するとコメントしている。
宇宙船にはブドウの樹も積まれていた。重力のない状態が植物に与える影響を研究し、持続可能な農業に役立てるのが目的。
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