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歴史的な年となった2020年。投稿した試飲レビューを見直して、得点ではなくて発見のあった記憶に残る5本を選んだ。
1月のブルゴーニュとカナリア諸島以降、海外には出かけられず、3月から夏までは国内の試飲会もほとんど開かれなかった。国内外から送られてきたサンプルと秋以降に復活した試飲会で試飲した中から、レビューを投稿したのは約800本。例年より少ないが、気候変動や固有品種の台頭など、新たな動きを感じさせるワインに出会えた。
その筆頭は、エラスリスの技術責任者フランシスコ・ベティッグの興したドメーヌ「ベティッグ」。「ベティッグ ロス・プリモス セレクシオン・デ・パルセラ シャルドネ 2019」(Baettig Los Primos Seleccion de Parcelas Chardonnay 2019)はシュヴァリエ・モンラッシェを連想させるフィネス。チリの冷涼産地の将来が見える。
トスカーナで赤ワインのパワーハウスだったスヴェレートで発見したのが自然派「イ・マンドルリ」。「イ・マンドルリ ヴィーニャ・アッラ・スーゲラ IGTトスカーナ 2016」(I Mandorli Vigna alla Sughera IGT Toscana 2016)はピノ・ノワールのような透明感のあるサンジョヴェーゼだった。
火山灰に覆われたランサローテ島の最前線を行くのがプロ・ロフェ。「プロ・ロフェ チブスケ 2018」(Puro Rofe Chibusque 2018)はディエゴ100%。シーフードにあう。カナリア諸島はいま世界が注目するホットスポットだ。
日本からは活況を呈する北海道の「農楽蔵 ノラ・ブラン フミヅキ 2015」。日本のバタール・モンラッシェだ。ワイナリーを移転すればさらに進化する可能性をはらんでいる。
王道のボルドーから1本。2016、2018と並ぶ優良ヴィンテージとなった2019プリムール。1級シャトーや右岸は試飲できなかったが、近年の経験からして1級に迫る品質なのが「シャトー・ピション・ラランド 2019」(Chateau Pichon Longueville Comtesse de Lalande 2019)。フレッシュでエネルギーあふれる。
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