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蒸し暑い夏の食前に、ロルフ・ビンダーの甘酸っぱいクレア・ヴァレー・リースリング

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 オーストラリアの魅力はシラーズばかりではない。早くから楽しめるお手ごろなリースリングは、今年のような蒸し暑い夏に欠かせない。
 代表的な産地はサウス・オーストラリア州のクレア・ヴァレーとエデン・ヴァレーだ。バロッサ・ヴァレー、ウェスタン・オーストラリア州のグレート・サザンやタスマニアも興味深いが、クレア・ヴァレーとエデン・ヴァレーは1840年代からの歴史を有する。今でこそ、オーストラリアのシャルドネは人気だが、リースリングははるか昔から愛されてきた。

 エデン・ヴァレーは、ピュージー・ヴェイルのジョセフ・ギルバートが最初にリースリングを植えたのが1847年。ピーター・レーマン、ヘンチキら高水準の生産者がそろっている。それらに及ばないが、価格を考えれば納得できるのがロルフ・ビンダーである。
 「ロルフ・ビンダー イーデン・ヴァレー ハイネス・リースリング 2015」は淡い麦わら色、ライム、青リンゴ、生ミントのさわやかな香り、生き生きした酸とはつらつとした果実が口中をリフレッシュしてくれる。アペリティフから、そのまま食中に持ちこせる。ドライだが、アルザスのように硬くないのが親しみやすい。

 エデン・ヴァレーのリースリングは一般的に、クレア・ヴァレーより早くから飲める。標高500メートルを超す丘陵にシュタインガルテンと呼ばれる片岩質の土壌が広がる。「ハイネス」の名はそこからくる。ヴァレーの30%でリースリングが栽培され、低地ではシラーズが栽培される。ヘンチキのカルトワイン「ヒル・オブ・グレース」もヴァレーから生まれる。この多様性がオーストラリアの面白さでもある。

 ロルフ・ビンダーは1955年に創業され、ロルフと姉のクリスタがそれぞれ赤ワインと白ワインを造っている。「ロルフ・ビンダー イーデン・ヴァレー レート・ハーヴェスト・リースリング 2015」は、ゴールデン・デリシャス、アプリコット、軽いボディでアルコール度は9%と低い。キンキンに冷やして食前に飲むといやされる。3週間ほど遅く収穫しているが、驚くほどお手ごろ。スクリューキャップでちびちび飲める。

 食前のスパークリングはおいしいが、飲むたびに強い酸で口中がリセットされ、シャキッとさせられる。甘酸っぱいリースリングにまったりと浸るのも、蒸し暑い日本の夏にはいい。

2016年8月10日 自宅で

ロルフ・ビンダー イーデン・ヴァレー ハイネス・リースリング 2015
87点
参考小売価格:2200円
ロルフ・ビンダー イーデン・ヴァレー レート・ハーヴェスト・リースリング 2012
86点
参考小売価格:2000円
輸入元:GRN

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