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中国最大級のワイン見本市が延期、新型コロナウイルスが世界のワイン市場に波紋

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 中国南西部の成都で3月末に開かれる予定だった中国最大級のワイン見本市「チャイナ・フード・アンド・ドリンクス・フェア 2020」(CFDF)が新型コロナウイルスの流行により延期になった。オーストラリアワイン産業も最大の輸出市場である中国の先行きを懸念している。世界5番目のワイン消費国である中国の落ち込みはグローバルな悪影響をもたらす。


  CFDFは1955年に始まった中国最大級のワイン見本市。昨年は20万平方メートルの会場に6300を超す業者が出展し、約20万人が来場した。主催者発表で、22億元(約344億7000万円)の取り引きを創出した。メイン会場に先立って、成都市内のシャングリラやインターコンチネンタルなどのホテルでも商談が行われる。ボルドーやペンフォールズなど人気ブランドの物真似ワインが出回ることでも知られる。


 主催者が4日、3月26-28日に予定されていた102回目となる2020年の見本市の延期を発表した。CFDFに先立って市内のホテルで行われる展示会の日程も変更される。「出展業者、来場者、我々チームの安全が我々の優先事項である」としている。


 新型コロナウイルスの拡大によって、中国国内のホテルやレストラン、ワイン小売店などはワインを含む消費の減少に苦しんでいる。中国商務部によると2019年の春節期間中に1兆元を超す消費があったが、アルコール飲料の業界団体「中国酒業協会」(CADA)は劇的な落ち込みを予想している。


 OIV(国際ブドウ・ワイン機構)の2019年統計によると、中国は世界5番目のワイン消費国で、ワイン輸入については量で5番目、金額で4番目の輸入大国でもある。そのため、ワイン生産国への影響も大きい。中でも、影響が指摘されているのが、オーストラリアだ。中国とオーストラリアの間では2015年にFTA(自由貿易協定)が発効し、2019年1月に関税は撤廃された。


 ワイン・オーストラリアは5日、2019年のワイン輸出統計を発表した。輸出量は12%減だったものの、輸出額は前年比3%の伸びを示し、29億1000万豪ドル(19億7000万米ドル)と、過去2番目の金額を記録した。香港とマカオを含む中国向け輸出量は英国に次いで2番目だが、金額では12%増の13億豪ドルでトップ市場だった。


 ワイン・オーストラリアのアンドレアス・クラークCEOは「新型コロナウイルスが中国の売り上げにインパクトを与えると見込んでいるが、現段階でその程度を予測するのは難しい」とコメントした。


 また、中国はボルドーの最大の輸出市場でもある。中国国内の景気減速によって、2018年の輸出が落ち込んだのに続いて、新型コロナウイルスの今後の影響が懸念される。


 新型コロナウイルスの影響はワインにとどまらない。中国は米国に次ぐラグジュアリーグッズの消費国。マッキンゼー・アンド・カンパニーによると、中国のラグジュアリー・グッズの消費は2018年の3130億ユーロのうち、3分の1に当たる1000億ユーロを占めている。多くのワイナリーとラグジュアリー・グッズを抱えるLVMHの売り上げにも影響が出るのは間違いない。

中国最大級の見本市が延期 Twitter@CFDF
中国はオーストラリアのトップ輸出市場 ワイン・オーストラリア

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