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ロスチャイルド家が東京に集結、「レア・ヴィンテージ ブラン・ド・ブラン 2010」お披露目

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 ボルドーの3つのロスチャイルド家が手を携えて造るシャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルドの10周年を記念して、ムートン・ロスチャイルド、ラフィット・ロスチャイルド、シャトー・クラークを所有するファミリーの代表が来日した。現地でもめったにそろうことのない3人が集まり、新たなキュヴェ「ザ・ロスチャイルド・レア・ヴィンテージ ブラン・ド・ブラン 2010」を、世界で初めてお披露目した。


 来日したのは以下の3人。


フィリップ・セレイス・ド・ロスチャイルド男爵
(シャトー・ムートン・ロスチャイルドを所有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドのオーナー一族)


エリック・ド・ロスチャイルド男爵(シャトー・ラフィット・ロスチャイルドを所有するドメーヌ・バロン・ド・ロスチャイルドのオーナー一族)

 

アリアンヌ・ド・ロスチャイルド(シャトー・クラークを所有するバロン・エドモン・ド・ロスチャイルドのオーナー一族)


 3つのロスチャイルド家は、ジョイント・ヴェンチャーを設立し、コート・デ・ブラン地区のヴェルテュに醸造設備を設けた。2005年に初めて収穫し、2009年6月、世界に先駆けて日本で発売した。亡くなったフィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人と長男のフィリップ・セレイスが中心となって、プロジェクトを進めてきた。シャンパーニュは、シャトーのガラディナーなどで振る舞われ、ロスチャイルド家の”オフィシャル・シャンパーニュ”的な位置づけにある。


 フィリップ・セレイスは「3人が日本に同時に集まったのは人生で初めてだ。15年前にプロジェクトを始めた時から、日本は最も重要な市場。3つの分家が力を合わせた初の試みは簡単ではなかったが、妥協せずに進めてきた。エリックとアリアンヌに感謝を示したい。今後の10年間もプロジェクトが発展することを約束する」とあいさつした。


 お披露目された「ザ・ロスチャイルド・レア・ヴィンテージ ブラン・ド・ブラン 2010」はアヴィーズ、メニル・シュール・オジェ、クラマンなどグランクリュのシャルドネをブレンド。ステンレスタンクで醸造し、リキュール・ド・ティラージュのワインだけは樽で醸造した。定期的に試飲しながら、発売時期を探ってきた。ドザージュは4.5g/L。デゴルジュマンは2018年6月。2020年1月発売予定。6か月間は日本限定で発売される。

 

 メゾンのマネージング・ディレクターのフレデリック・メレスは「3つのメゾンのオーナーの9人と連絡を取りながら、仕上げるのは手間のかかる仕事だった」と振り返る。

 


 「シャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルド ザ・ロスチャイルド・レア・ヴィンテージ ブラン・ド・ブラン 2010」(Champagne Barons de Rothschild The Rothschild Rare Vintage Blanc de Blancs 2010)は若々しく、チョーキーな酸、果実が複雑に折り重なり、エレガント。フローラルで、レモンオイル、白トリュフのタッチ、塩気と心地よいほろ苦みを帯びている。精妙さに富むフィニッシュ。3万9000円。94点。

 
 1940年生まれのエリック男爵は、63年生まれのフィリップ・セレイスより23歳も年上の79歳。1973年から経営してきたラフィットの実権を娘サスキアに譲ったが、まだまだ現役感があり、ジョーク満載のあいさつで笑わせた。有能な銀行家でもあるが、サスキアの話をすると、可愛くて仕方ない様子だった。


 「銀座 kappou ukai」で行われたディナーは、旬の素材を使った和食が供された。エリックが「人生で最高の料理だ」と称賛した料理を、熟成したプティ・ムートンとラフィットに合わせた。ラフィット2000はエレガンスを詰め込んだ最良のラフィットの一つだった。


 「シャトー・ムートン・ロートシルト ル・プティ・ムートン 2009 マグナム」 (Chateau Mouton-Rothschild Le Petit Mouton 2009 Mg)は、ブラックベリー、カシス、黒コショウ、メントール、なめらかなテクスチャー、酸と果実のバランスがとれている。タンニンはこなれていて、うまみが乗っている。アプローチャブルで、既に楽しめる。93点。


 「シャトー・ラフィット・ロートシルト 2000」 (Chateau Lafite Rothschild 2000)は、森の下草、ブラックベリー、黒鉛、シームレスなテクスチャー、タンニンは気品があり、純粋な果実ときれいに統合されている。すべての要素があるべきところにあり、完ぺきなバランスでハーモニーを奏でている。タバコ、丸い石、透明感に包まれた果てしないフィニッシュ。カベルネ・ソーヴィニヨン93.3%とメルロ。99点。


 輸入元はエノテカ。

左から、エリック・ド・ロスチャイルド男爵、アリアンヌ・ド・ロスチャイルド、フィリップ・セレイス・ド・ロスチャイルド男爵
ザ・ロスチャイルド・レア・ヴィンテージ ブラン・ド・ブラン 2010
シャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルドのマネージング・ディレクターのフレデリック・メレス
ル・プティ・ムートン 2009 マグナムとシャトー・ラフィット・ロートシルト 2000
贅沢ちらし寿司と天然河豚白子茶碗蒸し トリュフの薫り
寒鰤照り焼き大根と牛ヒレと松茸 黒胡椒たっぷりすき鍋

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