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ボルドー・グラーヴのブティック・ワイナリー「リベル・パテル」(Liber Pater)が、2015ヴィンテージから1本3万ユーロのボルドーで最も高いワインを発売することが、話題を呼んでいる。
リベル・パテルは、醸造家のオーナー、ロイック・パケがグラーヴのランディラスに土地を購入。カベルネ・ソーヴィニヨンなどとともにフィロキセラ以前のブドウ品種を自根で植えて、アンフォラで醸造している。ボルドーの150年間の歴史に敬意を払い、先祖のワイン造りと味わいを保つ狙いで、フィロキセラ以前の19世紀のスタイルのワインを生産しているという。
2.5haの畑の密植度は通常の倍のヘクタールあたり2万本。2015ヴィンテージには、カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・ヴェルド、マルベックのほか、かつて植えられていたタルネイ・クーラン(Tarnay Coulant)、カステ(Castets)、プティ・ヴィデュレ(Petite Vidure)、パルドット(Pardotte)など希少な品種もブレンドされている。醸造は250リットルと400リットルのアンフォラ。2か月間のマセラシオンの後に、3年間の熟成をしている。樽は使っていない。
2015年の生産量は550本。パケは馬を使って耕作するなど毎日の畑仕事を熱心に行っている。高密植度の自根の土着品種やアンフォラでの醸造などから生まれるエクスクルッシブな味わいを求めて市場の需要が高いという。ヴァン・ド・フランスとして生産されている。
ワインはメーリングリストにより、6本セットで割り当て販売される。セラーの保管用を除く240本が、9月から市場に出る。1本あたり3万ユーロ。パケが2006年に生産を始めてから6度目のリリースとなる。3万ユーロはペトリュス1ケースとほぼ同じ価格。ロマネ・コンティは1本2万ユーロ前後で流通している。
リベル・パテルの畑は2015年に、500本の樹が切られる被害にあった。パケはワイン造りをめぐってINAOから訴えられたが、2017年に勝訴した。
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