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ブルゴーニュのトップドメーヌを日本に紹介するエージェント坂口功一さんの半生に光を当て、現代ブルゴーニュ史を浮かび上がらせた『ブルゴーニュと日本をつないだサムライ』が、刊行されます。
坂口さんは大手商社のパリ駐在員時代に40歳で起業。ワイン貿易会社を30年あまりで年商26億円に成長させました。ラヴノー、ルソー、ルフレーヴ……高級ブルゴーニュの10本に1本を仲介しています。徒手空拳で、閉鎖的な農村に入り込み、大勢の造り手を発掘してきました。誠実な人柄と背筋の伸びたたたずまいで、「ムッシュー・サカグチ」と尊敬されています。DRCの共同経営者オベール・ド・ヴィレーヌは「本物のサムライ」と彼を呼びます。
坂口さんがワインビジネスを始めたのは1985年。それから平成時代に入って、田崎真也さんが世界最優秀ソムリエコンクールで優勝する95年ころには事業の基礎を固めました。日本はその10年間に、バブルと外圧を経験して、ワインブームが開花しました。同じ時期、苦しんでいたドメーヌの造り手たちが自家元詰を本格化させ、有機栽培に目覚めて、品質を向上させました。
ブルゴーニュの”大使”として、フランスと日本をつないだ男のライフストーリーですが、日本の愛好家がブルゴーニュワインに惹かれていった平成ワインブームを見つめ直した同時代史です。さらに、ドメーヌの農民たちがネゴシアン支配から自立し、発展していく過程を、大勢の造り手に取材して描いた解説書でもあります。
巻末には、最新データとトレンドを盛り込んだ栽培・醸造の情報をつけています。
イカロス出版。1700円。アマゾンはこちら
本書の予告編的なコラムがこちらで読めます。
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