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ブルゴーニュは狭い

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 ブルゴーニュは狭い。ワイン首都のボーヌはさらに狭い。

 ドメーヌ・ド・ベレーヌの輸出部長として活躍する北沢さんと、最近できた「F&B」というワインバーで飲んでいたら、何やら品のいいマダムの二人連れが入ってきた。

 数日前に訪問取材したドメーヌ・アルヌー・ラショーのシャルルのお母さんフローランスだった。顔の広い北沢さんに紹介された。25歳の若き当主をほめたら、お母さんはうれしそうだった。ジーンズをおしゃれにはきこなしたカッコイイマダムだ。

 アルヌー・ラショーの前身はロベール・アルヌー。アルヌーの歴史は長いが、跡取り息子ができなかった。そのため、薬剤師をしていたパスカル・ラショーが婿に入って、ドメーヌを躍進させた。今では、息子シャルルにワイン造りを任せている。ドメーヌ名を変えたのもそうだが、思い切りがいい。シャルルは全房発酵を大胆に取り入れて、除梗100%だった造りを変えた。

 現地ではあまり経験のないものを注文する。F&Bでは、ドメーヌ・ロドルフ・ドゥモジョのサヴィニ・レ・ボーヌ・レ・ブルジョ2010(38ユーロ)とダビッド・モローのサントネイ・キュヴェS2011(44ユーロ)。ドゥモジョはビオらしい自然な造り。抽出は薄くて、エキスが乗っている。モローは、2011にしては思いのほか濃厚だった。果実が太い。サントネイのイメージではなく、ポマールあたりをほうふつとさせる。

 いずれも日本に輸入されている。日本のブルゴーニュ輸入元の品揃えの充実度は世界トップクラスではないか。

 この店は、1つ星をとっていたジャルダン・レンパーの関係者が独立したらしい。料理は前菜がサーモン(14ユーロ)、メインは子牛のモリーユ茸添え(32ユーロ)。サーモンはたっぷり。マグロの刺身みたいで、気持ちい。子牛も昔からのビストロ料理で豪快。ミルクのような香り、肉質の柔らかさに、茸の複雑な香りが加わって、ピノ・ノワール向けの皿だった。

 最後にチーズを1皿。地元産ばかり。シトー、デリス・ド・ポマール、エポワス。これで9ユーロ。日本と違って量がたっぷり。近くでできるのだから当たり前か。フレッシュだが、こくがある。

 2人で2本以上飲んだのだが、現地では酔いが回りにくい。水道水(カラフェ)を大量に飲むと調子がいい。体がブルゴーニュ向きになっているのだろう。

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